詩「春光」

悲しくて
ただ悲しくて
僕はある日涙を流した

流した涙は雨と交わり
冷たい枯れ野に降り落ちた

枯れ野の中で幼虫は僕の涙で喉を潤し
枯れ葉はただじっと耐え地に温もりを与え続けた
翌る日も翌る日もいつか分からぬ黒い日を
焦ることなく止めることなくただゆっくりと動かした

ある時僕は家を出て、変わらぬ冷たい道歩く
僕の前には緑の地、小さな花が咲いていた




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