朝を生きる雲のように
朝日に照らされた雲が、悠然と流れている。鯨が空を泳いでいるようである。ジオラマのような街並みにも日光が差し込み、人々の生活が息を吹き返していくようだ。
こちらは病室。いつもと変わらぬ朝である。昨日の夜は、少し寝つきが悪かった。薬を飲まされたはずなのだが、2時間、いや3時間ほどベッドの中で冴え渡る意識と格闘していた。だが今は眠気は感じないので、1時間くらいのことだったのかもしれない。治りかけていた病がまた山の勾配を登りはじめたのかとちょっと不安になった。
夜に何不自由なく眠れる、というのは大変羨ましいことである。当たり前の話のようであるが、ちょっとつまずいてしまうと、そう簡単にできることではなくなってしまうのだ。以前まで僕は、日中は充実した生活を送り、夜は泥のように眠る生活をしていた。それがいつからか、夜眠れなくなり、日中のパフォーマンスにまで影響するようになってしまったのだった。原因は、様々なところからくるストレスで間違いないだろう。このストレス社会、いかにストレスフリーで生きていくことが重要なことなのかを思い知らされた。
朝から少しヘヴィな話を繰り広げようとしてしまったが、気づいたのでここでやめておく。話題を変えよう。
朝が好きだ。気持ちが良いからだ。日や風の強さがちょうど良い。同じ理由で、夕方も好きだ。どんなに辛い夜だって、必ず朝が来る。どんなに昼に凹んでも、必ず夕が来る。時間は巡り巡っているのだ。だから、好きな時間が来た時に、心落ち着けて体が溶けてしまうくらいにのんびり過ごせば良いのだ。今空を流れている、あの、朝日に染まる雲のように。
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