2023年と私と音楽と
今年も気づけば大晦日。
もうそろそろ秋服出すか、もうハロウィンか、クリスマスか……ってしてるうちに気がつけば2024年の扉の前にいた。歳を取るほどに時間の流れは速くなるけれど、こんなにも速くなるなんて思わなかった。
日常の色んなパターンに慣れすぎて、仕事をちゃんとしてるはずなのにすぐ終わったかのように感じるバイト、2時間半ぐらいバスに揺られる時間もあっという間に感じるようになってしまった帰省。ひとつひとつの出来事に対する感覚が鈍くなっていってる気がして怖い。
今年は自分の感情に加えて、周りの感情や状況にも向き合った年だったような気がする。
そう思うのは大学のサークルを通じてもそうだったし、MBTI(性格診断のようなもの)の結果が何回やってみてもINFPになって、あらゆるINFPについての説明を読み込む度に納得したからだとも思う。
診断サイトを変えてやると他のタイプにも揺れることはあるけれど、その話はまた今度。
自分のパートにもうバリバリ上手い後輩が入ってきちゃって、ズルズル病んで、どうせ自分なんか居なくても……と卑屈な考えになったこともあったけど、自分が音楽を続ける目的 ───私の場合は「誰かのため」を意識し出した瞬間にまた前を向けるようになったのを思い出した。
その「誰か」は、最初は1番お世話になった先輩だったけれど、今は同期に変化していっている感じがする。
もちろん先輩も大事なことには変わりない。ただ、その割合が変化してきているだけ。
あと、歳が少し離れている先輩のちょっとした一言に救われることもあった。その先輩には自分の抱えたネガティブな気持ちを打ち明けたことはなかったけれど、その気持ちを気遣ってくださる言葉をかけていただいて、嬉しかった。
それから、同じ感情を抱えた人が身近にいるんだ、という事実に何回も救われた。
そうやって立ち直ったときに考えたのは、純粋な楽器の上手さ以外で大切なものってなんだろう、ということ。
今の自分の答えは、周りの人がどんな旋律を弾いてるのかを聴いて、それに合った弾き方を模索することなのかな、と。
簡単に言うと、他の人の奏でる音にも意識を向けること。
これは自分の中には今までにない発想で、慣れなかったし時間はかかったけれど、曲の解像度が一気に上がった気がした。
去年よりも想像力を膨らませることができたし、感情と理性のバランスの取り方も上手くなったと思う。
直近の演奏会ではそれを意識しつつ演奏しきることができた。そして1人だけ、観客として、先輩として去年との私の成長を感じ取ってくださった方がいた。演奏会のアンケートを通じてそれを知った。
それが本当に嬉しくて、嬉しくて。今まで考えてきたことは間違ってなかったのだな、と後押ししてもらえた気分になった。
来年は、今までよりも比にならないぐらいの責任の重さを背負うことになる。もうその責任を背負ってはいるのだけれど、それらを全うできる1年にしたい。
どうか、平穏無事に乗り切れますように。