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「本名でアルバイトに応募して断られた」中国生まれのマーケターが、それでも日本を愛し、静岡と戦いを挑む理由

こんにちは、APOPTOSISのマーケター・oz(@ozoz_witch)です。

初めての投稿となるのですが、本題に入る前に「APOPTOSISとはなんぞや?」という方もいらっしゃると思うので、少しだけご紹介させてください!

APOPTOSIS(アポトーシス)とは?

製品開発やボトルデザインも着々と進行中。

水出し緑茶のボトリングティーの「APOPTOSIS(アポトーシス)」
ただいまリリースに向けて猛スピードで準備を進めている、静岡県掛川市発の新プロダクトです!

農林水産大臣賞を受賞した茶師によって生み出される、最高級茶葉を使用。
人の文化と自然の多様性が共存する茶草場(ちゃぐさば)農法で、150年以上にも渡り、丁寧に土壌を育んでいます。
「アルコールが飲めなくても、贅沢な食事を楽しみたい」を叶える、高級料理のペアリングに最適な旨みが詰まっています。

アポトーシスとは、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる細胞の死のこと。
静岡県の掛川市の豊かな自然が育んだ一滴には、五感を研ぎ澄ませ、今の自分から生まれ変わっていくような奥行きが宿ります。

noteでどんなことを発信するの?

こちらのnoteでは、

  • 静岡茶って今どんな状況なの?(実は厳しい面があります)

  • APOPTOSISで市場に、地域に、農家さんにどんな良いことがあるの?

  • APOPTOSISって誰が、どんな思いでつくってるの?

  • 応援すると、ぶっちゃけどんな良いことがあるの?(リターン大事)

…といった情報を、発信していきます!
2週間に1回くらいのペースで投稿できると・・・いいですね。(宣言)
9月下旬の先行販売開始を予定しておりますので、このnoteアカウントツイッターをフォローして、続報をお待ちください!

記念すべき最初の記事なので、早速ですが「なぜ我々が静岡茶のプロダクトをつくったのか?」をご紹介したいと思います。
というわけで、さっそく代表の趙(@kennoid)にインタビューしてきました!
(実は趙とは元々同じ会社で働いていました)

中国生まれ、日本育ち。
どこにも属せない、「余所者」だった。

代表・趙が3歳のときの写真(か、かわいい…)

oz
「APOPTOSISのチームは、経営、マーケティング、開発、デザイン、営業といろんな領域のプロフェッショナルが集まっていますよね。
そんじょそこらの企業にはいないような凄い人が多くて、私は正直ビビっています。(笑)
趙さんのチーム作りがあってこそだと思うのですが、元々社交的なタイプだったんですか?」


「いや、むしろ社交性はあまりなく、人間は苦手かもしれません。(笑)自分が「余所者」だという意識がずっとある。

僕は中国生まれの朝鮮族で、11歳のときに来日して日本語もわからないまま日本の学校へ通っていました。幸いなことに友達に助けられながら、学生時代を送ってました。

きっかけは高校生のとき。アルバイトをしようとして、条件を満たせるバイトに応募しても「外国人だから」と不採用になることが何度かありました」

oz
「日本人と同じくらい日本語が話せているのにもかかわらず…」


「大学卒業後は中国に戻って働いていたんですが、周りと文化が違って、中国でも「余所者」を感じていました。裕福でもなかったので、なんとなく社会に向けたやりどころのない怒りとか、孤独を抱えて生きていました」

マーケターとして社会を渡り歩く。
社会と自分への失望から、希望を取り戻す。

両親に近況報告する写真をなぜか駅で撮影。27歳。

oz
「葛藤を抱えながら働いている中で、どのようにキャリアをひらいてきたんですか?」


「一言で言うと、フラフラしていましたね。(笑)
結局日本にも中国にも所属できない。アイデンティティや帰属意識もどこにも持てない。積極的に生きたい気持ちになれないままで。

この社会は死ににくいので、適当に無気力に、時には社会に対する怒りを振りまきながら生きていました。同僚たちにも怒りをぶつけてしまい、迷惑をかけた人もいたと思います…

でも要領が良い方だったようで、仕事はこなせるのですが飽きてしまい、職種を転々としていましたね。 マーケティングは死ににくい職種だと思ったので、マーケターとして生きていこうと思っていました」

「趙さんとなら、何でもいいから一緒に働きたい」
いつの間に仲間が集まってきた30代。

元・同僚の千代田と肉を食らう趙。日本に必要とされるビジネスを模索していた。

oz
「キャリアの中で、APOPTOSISを一緒につくる仲間とはどのように出会ったんですか?」


「1番は人と機会に恵まれた結果だと思います。

経験を重ねると、「フラフラしている僕」を良いと言ってもらえたり、ミートアップに呼んでもらったりして。 特に楽天は、新規事業に関わるチャンスをくれ、評価もしてくれた。周りに価値を提供したら、お返しもたくさんきた。

生活や心に余裕が生まれて、社会を客観視できるようになったんでしょう。帰属していない僕 = 社会不適合者 と言う考え方が違うのでは?と」

oz
「アイデンティティの呪いのようなものが、外せるようになったんですね」


「うん。社会に失望し、希望を取り戻す中で、人としての誠実さも身につけられた。そして他者に対して、安心と利益を分配できる人間になりたいという思いが芽生えて、プロジェクトをリードすることが増えました。

そうしたら、いつの間に「あなたがなんかやるなら、何でもいいから一緒にやりたい」と言ってくれる人が増えた。そういう叡智を集めるとできることが増えたので、APOPTOSISチームがつくれた。ありがたいことですよね。感謝しかない。」

帰属意識のない僕だから。
日本に、そして静岡茶にチャンスを見出した。

静岡の掛川では、豊かな自然の中で茶葉が育てられる。

oz
「集めた仲間と一緒に何かにチャレンジしようと思ったのはなぜなんですか?」


「残念ながら日本は没落していますよね
ただ、僕には変な帰属意識がありません。没落していく日本が「できることがいっぱいある」というふうに見えるんです。今までの資本主義や国民国家、会社、労働の価値観もコロナによって変わり、社会の風向きも本質を追い求める方向に変わってきたように思う。

そんな世の中にチャレンジして利益を生む。チームメンバーや協力してくれる人にお返ししていく。こんな楽しいこと、やらない選択肢が見つからないなと思いました」

実は知られていない、静岡茶存続の危機。
"Shizuoka tea = Japan No.1" へ。

農家の方々も、静岡茶の現状の危機感を覚えている。

oz
「静岡茶で勝負しようと思った理由も聞かせてください。
私も、静岡茶を試飲したりしてみたのですが、ペットボトルのお茶とは比べ物にならないほんわりとした香りと、旨みの複雑さを感じました。
仕事中にスッキリしたいときとか、集中したいときに飲んでます。
でも、静岡茶というと、緑茶市場で既に知名度もあるんじゃないですか?」


「そもそも、静岡茶ってビジネスとして続けられない危機にあるんです。

収入もここ数年で半減しており、生産量も減っている。知り合いの茶農家でも、耕作を放棄してしまっているという現状があって、九州のお茶の方がよほど勢いがあるんです。

危機的状況である一方で、世界におけるグリーンティー市場は伸びている。 ユーザーや茶商にヒアリングすると、静岡茶ブランドの認知が海外届いていなかった。

"Shizuoka tea= Japan No.1"のポジションが取れたら、後続する農家さんも幸せにできる。だから「静岡茶ブランドを確立し、ブランドの利益を地域に還元する」というビジョンのもと、高級ボトルティーを企画しました 」

"Japan No.1" の道のりへ。
1人でも多くの方と、最初の一歩を踏み出したい。

趙の奥さんが撮影した1枚。良い笑顔!

oz
「思った以上に静岡茶は危機的状況にあるんですね…
静岡茶の面白さ、美味しさをもっともっと伝えていきたいですね。
9月下旬の先行販売開始に向けて準備が進んでいますが、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いできますか?」


「静岡県の方々にもビジョンに共感いただき、補助金をいただくこともできました。ですが、「静岡茶ブランドを確立し、ブランドの利益を地域に還元する」というビジョンには、まだまだこれからです。

静岡茶の現状を発信しながら、APOPTOSISでアルコールを飲まない方もフレンチのコースとのペアリングが楽しめたり、脳に響く旨味で生まれ変わるような特別な体験を提供していきたいと思っています。

自分たちのやりたいことに共感いただける方や、応援いただける方なくしては僕たちは無力です。9月の先行販売で皆さんに楽しんでいただけるように頑張っていますので、ぜひ続報をお待ちください!」

先行販売に向け、続報をお待ちください!

趙さん、ありがとうございました!
APOPTOSISのチームも近々紹介していきますね。

最後に、次回の記事では奥深い静岡茶の世界をご紹介します!
(未来の私が執筆するであろう)予告はこちら。

  • 世界に認められた、人の手と自然の輪廻が合わさった農法

  • 150年前、茶農家を始めたのは◯◯達だった

  • 今、静岡茶が直面している課題

それではまたお会いしましょう!さようなら〜。

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