消防士はまず”自分を守ること”について考え直すべきだ🚒🚑!!
前回、消防士は、消火活動中に発ガン性物質を吸っているというブログを書きました。その中で、”どのような対策をとれば自分の身を守ることができるのか”というお話でした。
今回は、吸っているのは発ガン性物質だけではなく、こんな危険な物質もある。具体的にこんな方法で防御しよう!というお話です。
燃焼生成ガスにおける消防士の現状
火災現場では、燃焼生成ガスとして、発ガン性物質のある揮発性有機化合物が発生するというお話でした。
その他にも、炭などの浮遊物や、毒性のあるガスが多数あります。
消防士の身を守るものといえば、おなじみの空気呼吸器ですね。ボンベを背負って、マスクをつけて、「シュコー、シュコー」って音のするやつです。
これを火災現場で使えば、当然ながら体に悪いガスを吸うことはありません。しかし、これはもって20分から30分なんですよね。しかも重たい・・・。
出来るだけ早く脱ぎたいなーって考えているんです。
使う場面はどんな時でしょうか。
きっと多くの消防では、”煙たくて我慢できない時”でしょうね。その使用時間の短さから、”使う時=特別な時”という認識となっているのが現状で、一つの住宅火災でも、一度も空気呼吸器が吸われることない現場も多々あると思います。
だから、めっちゃ毒ガスや浮遊物を吸っているっていう話なんです。そもそも毒ガスを吸っているという認識を持った消防士も少ないはずです。
空気呼吸器は重たいし、時間もそんなに持たないという問題。その問題を解決するために配備されている資機材もあります。
それが防塵マスクであったり、防毒マスクです。
フィルタが生きている限り、時間無制限ですからとても使い勝手がいいですね。前回のブログでも書いたんですが、フィルタは一個500円以下ですから、コスパは素晴らしく良いものです。
こういうやつですね。
これを使えば、消防士の身を守ることができるんですが、この防毒防塵マスクが使われない。使用率がとても低いんです。
私の消防にもあります。防塵マスクというチリやホコリを防いでくれるタイプのものですね。しかし実際は使っていない。
なぜ使われないのか、、、、。それはとても簡単で、無知だからです。
使わないといけないという、認識がないんですよね。
消防士は、自分の命を削りながら消火活動を行なっているという現状があります。そしてその事実を知らない、知ろうとしないという問題を抱えています。
火災現場で発生する危険なもの
火災現場で発生する危険な物質については、札幌消防科学研究所から報告がありますので早速見てみましょう。
今回の参考文献はこちらです👩🚒
①2004,ver11
建物火災鎮圧後に残存する燃焼生成ガスと粉塵等の測定(中間報告)
②2005,ver12
建物火災鎮圧後に残存する燃焼生成ガスと粉塵等の測定(最終報告)
この報告で検出された代表的はものは以下の通りです👩🚒。
①揮発性有機化合物(ベンゼン)
発ガン性物質と言われる。毒性限界濃度を超える数値を検出。
※👩🚒簡易マスク(有機ガス用のフィルタ)で防ぐことができる!
②一酸化炭素
急性一酸化炭素中毒を引き起こす一酸化炭素。毒性限界濃度の25倍を検出。鎮火後20分でほぼ無視できるレベルになるが、煙がある場所では100ppmを検出(毒性限界濃度は25ppm)。頭痛、吐き気、めまいなどを起こすレベル。
※👩🚒空気呼吸器で防ぐことができる。簡易マスクでは防げない!
③粉塵(タール含む)
急性呼吸器障害の原因となる。鎮火後15分で25%以下に低下。30分でほぼ無視できるレベルになる。
※👩🚒簡易マスク(防塵フィルタ)で防ぐことができる!
④ダイオキシン
生殖機能は成長ホルモンに影響。数値は低かったが、8割は粉塵に吸着しており、検証では気体の検出しかできないため未知数。影響のあるレベルと思われる。
※👩🚒簡易マスク(有機ガス用のフィルタ)で防ぐことができる!
実際はどのように活動するか
発ガン性物質以外にも色々あるんですね・・・。
消防士の身を守るためにも、装備がなければ守れないということのようです。
この報告の中で、
それでは実際に具体的行動として、「どのようにすれば良いのか」という考察もありますので紹介します。
1、まずは一酸化炭素対策
慢性的な発ガン性はとりあえず置いておいて、たちまち”一酸化炭素に注目すべき”とあります。一酸化炭素中毒は、当然ながら死にますからね。煙があるところでは、空気呼吸器を装着するべきだとのことです。どんなわずかな煙でも、煙が存在しているところの一酸化炭素濃度は100ppmで、許容濃度の4倍あるとのことですから、当然です。
煙で息ができないから空気呼吸器ではなく、煙があるから空気呼吸器という認識に改める必要がありますね。
2 煙が見えなくなったら簡易マスク(有機ガス+防塵)
報告では、鎮火後30分経過すれば、粉塵は無視できるレベルということでしたが、実際はそういう訳にいきません。火や煙が見えなくなった後も、残火処理で落下物をひっくり返したり、火災調査のために黒焦げの建物に立ち入ったり、小破壊することもあります。その度に粉塵が舞い上がる訳ですから、簡易マスクを装着すべきだということです。当然ながら発ガン性物質やダイオキシンから身を守るために、有機ガスの機能と、防塵機能を併せ持ったフィルタが必要ですね。
汚染された防火衣をキレイにする方法
汚染された防火衣をキレイにする方法は、前回のブログでお伝えしました。キレイにする方法としては、
放水で両面を3秒ずつ洗う+ビニール袋に入れて持って帰る+日陰で30分の静置
でしたね👩🚒
まとめ
今日は、前回に引き続き、消防士を燃焼生成ガスの被害から守ろうというお話でした。要点は以下の通りです。
1、火災現場では、発ガン性物質や一酸化炭素、粉塵、ダイオキシンが問題となる。
2、まずは一酸化炭素中毒対策!煙があるうちは空気呼吸器をつけよう。
3、煙が見えなくなったら簡易マスク(防毒+防塵フィルタ)をつけよう。
以上です👩🚒🤚✨
いかがでしょうか。大切なので何回も言います。
市民の命を守るのが、私たち👩🚒🚒🚑。
自分や、仲間の命を守れなくて何が消防士でしょうか!!!
僕だって長生きしたいぞ!!!笑
「ゼロの知識を1にできた。」これだけで活動が大きく変わります。
これが成長です👨🚒。
次の勤務の時に、ディスカッションしてみてくださいね。
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さもないと、、、APO隊長に呪われますよ👩🚒笑
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ではまた🤚✨!!!!