人生で一番良い夢を見た!

鬱な人間に、「なぜできないのか」じゃなく「なぜやらないのか」と、原因を考えずに「普通の人達がやっているようにしろ」と言ってくる人へ、人が鬱になる仕組みやドーパミンについて伝える方法を考えながら眠りに落ちた。

ここ半年程は夢を見ない日が続いていたが、今日は久しぶりに夢を見た。その夢は人生で一番良い夢だった。

普通の人生を送る夢。自分の歳は多分20歳ちょっとくらいで、同じ年齢層の人達の中で生活をして、出会いと別れ、若い時にだけ許される強引な行動、人間関係に悩み、人生の重要な局面を迎えて悩んだりする。ただそれだけの夢だった。

短編の創作物にもならない、現代日本で多くの人が普通に体験しているであろう普通の生活の断片。でもそれが、自分に足りないものの全てだった気がした。それを夢という一瞬で消える幻想であっても体験したことで気分がとても良くなった。

もちろん目覚めるとそんな過去は無く、人生でなんの経験もしていない引きこもりに戻る訳だが、その夢の中での高揚感が今も僅かに尾を引いている。

寝る前にTwitterの「おすすめ動画」に流れてきたモーガン・フリーマンの動画。自己啓発系の信用ならないアカウントの、「人生が上手くいかない人へ モーガン・フリーマンからの言葉」というようなツイートに貼られていた。
その動画の中でモーガン・フリーマンはこう言っていた。

「(行動を起こす)勇気が全て」
「でも言い訳をしてそれをしない人がいる」
「ふざけんな!バスは毎日動いてる!」

昨日見た時は最後のバスの意味が分からなかったが、今日夢の中で普通の人生を仮体験し、目覚めた時に理解した。

「バスに乗れば、その生活その居場所から抜け出して、望む場所やどこか今と違う場所へ行ける。そのチャンスは毎日巡ってきている。今の全てを捨てて、そのバスに乗るかどうかは勇気次第だ」

という意味の言葉なんだと分かりはしたが、それは勇気じゃなく心が正常に動いているかどうかの問題だと思う。

我々のような鬱の人間からすれば、正常な精神で生活を送る人々は、ドラッグでハイになっているようなもの。

実際、彼らの脳内にはドーパミンが正常に出ていて、日常でハイになることが多いんだろう。鬱の人間はドーパミンが正常に出ないから人生が上手くいかない。医師に病気だと診断されれば違法なドラッグと同じような効果の向精神薬を処方される。病院に行けない精神状態の人間や学生達は、風邪薬のオーバードーズで覚せい剤と同じ効果を得て、一時でも正常な精神状態になって生き延びる。

もし自分の脳が正常で、正常な人生を送れていたら。

映画「天使のくれた時間」のような、「もしあの時こうだったら…」を、夢で体験した。

「天使のくれた時間」ではif世界から戻された主人公は、天使に与えられて奪われた幸せな人生の経験を無駄にしないように前向きになるが、私にそれができるだろうか。

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