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#ネタバレ 映画「日本海大海戦」

「日本海大海戦」
1969年作品
職人技のアナログ特撮手法
2019/7/31 16:40 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「 クライマックスはバルチック艦隊と連合艦隊の大海戦。これが事実上最後の映画となった円谷英二特技監督は、自らの特撮技術の、一つの集大成とも言うべき、実写さながらの迫力ある戦争シーンを作り上げている。ドラマとしては平板だが、戦争映画の特撮を語るうえでは、はずせない作品。」

( 「ぴあ映画生活」 解説より抜粋 )

着弾した時の、垂直に高く上がる水柱は、噴水の要領で、プールの中から水を吹き上げているのです。

映画公開当時、TVで盛んに宣伝していました。

その種明かしを知ってしまうと、「なぁ~んだ」的に醒めてしまいがちですが、知らないでいると、「スゴイ!!!」と感動します。

模型などを使い、職人さんが、経験を積み重ねて、アナログ手法で生みだした数々の特撮手法。

その職人技が観られる映画の一つでした。

しかし、デジタル時代になり、CGだとかVFXだとか言われ始めます。

そうすると、コンピュータを駆使できる人が新しい特撮を手に入れ、昔ながらの職人技は消えていくのです。

何年もかかり、苦労して、やっと手に入れた、秘伝のようなアナログの特撮手法が、気がつくと時代遅れになり、やがて紙屑のように捨てられたとしたら、彼らのプライドも無傷では済まなかったでしょう。

かつて私は、事務仕事の中でそれを経験しました。変化していくことが不満なのではありません。前しか見ていない人たちから、ゴミのように捨てられることが哀しかったのです。

きっと、あちこちで、同様の事が起こっていたのだと思います。

なぜ、こんなことを書いたのかというと、先日、映画「アルキメデスの大戦」で、あまりにも見事なデジタルの特撮を観たからです。戦艦大和の最後を。

大和と共に沈んだ軍人がいたように、あの素晴らしさの陰で消えていった、職人がいたことにも思いを馳せたいと思いましたので。

★★★★

追記 ( 職人技のアナログ特撮手法 ) 
2019/8/1 9:21 by さくらんぼ

「紙屑のように捨てる」とは比喩ではありません。

料理人には若い頃から書きためた料理のレシピ・ノートがありますね。

彼の仕事の集大成で、TVドラマなどに、時々、うやうやしく出てきますが、例えば、あのようなマニュアルをゴミ箱に捨てることになるのです。

代わりに与えられるのが統一された電算操作マニュアル。

そのとき、「努力が紙屑になったなぁ…」と思うのです。

追記Ⅱ ( 劇場前の殺風景は、今でも覚えています ) 
2019/8/1 9:49 by さくらんぼ

映画の公開当時、ワクワクしながら、初日の朝一番に映画館へ行きました。

でも、あろうことかフィルム未到着で、何十分か開始が遅れたのです。

しかたなく、映画館の前で到着を待っていましたら、しびれを切らしたころに、バイク便がやってきました。

私は大喜びしましたが、映画はフィルムの途中から開始したのです。そうしないと2回目も時間が狂ってしまうから、致し方ないのでしょう。結果、朝一でかけつけた客が損をしたことになります。

この事故で「無料サービス券」の配布はありませでしたし、支配人の謝罪も無かった記憶です。

当時は全席指定席ではありませんし、入れ替えもなしでしたから、途中入場、途中退場は常識でした。だから、支配人もあまり気にしてはいなかったのかもしれません。

しかし、劇場サイドの事故ですので、「無料サービス券」の配布などは必要だったと思います。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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