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#ネタバレ 映画「ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で」

「ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で」
2016年作品
ブロガー必見、かも
2018/1/2 17:56 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

お色気、愛らしさ満点ですが、ストーリーが前後して、少々(私には)意味不明っぽいところが映画「ノクターナル・アニマルズ」にも似ていました。

淡々としたドラマ。

美しい画面と、それを観ながら、時々、うつらうつらの99分です。

★★★☆

追記 ( ブロガー必見、かも ) 
2018/1/3 9:45 by さくらんぼ

ふつうの子供は、自分で好きな仕事を選べますが、世襲の世界では難しい。子どもが小さなころから、親は無意識にも、世襲が成功するように誘導するからです。

そのように育てられた子どもは、いつしか「自分の本心が分かりにくい人間に育つ」と、そんな本を読んだことがあります。つまり、「好き」と告白されても、自分は、相手の事を「好きか、好きでないのか」よく分からない人間になりかねないとか。

映画「ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で」の冒頭には、愛らしい少女がステージに立ち、口パクで歌うシーンがあります。少女時代のヒロイン・ネリーです。

だんだんと気持ち良くなってきた少女は、いつしか声を出して歌い始めるのですが、最前列でそれを見ていた両親らしき人が、「ダメよ!」とサインを送るのでした。困惑してトーンダウンする少女。

このエピソードは重要です。彼女がどんな環境で育ってきたのかのエッセンスですから。

「自分を殺して演技の世界に生きてきたネリー」は、やがて高級エスコートガール(娼婦)になりました。

そして、それを題材に、実話とも創作ともつかぬ小説を書き、一躍うれっこ作家の仲間入りをするのです。ネリーにとって、それは「抑圧されてきた自己の開放を目指す必然だった」のでしょう。

しかし、元々の自己が分からない彼女は、どれが本物の自分なのか混乱し、病んでいくのです。

追記Ⅱ ( チラシの写真 ) 
2018/1/3 10:01 by さくらんぼ

チラシの写真に、作家として成功した彼女が、記者会見みたいな事をしているシーンがあります。

綺麗なドレスを着て、豪華な宝石をまとっていますが、大きなサングラスをかけ、両手のひらは閉じています。

そこにあるのは「解放と拒絶」かもしれません。

どこかの大統領も、(ニュースを見ると)あのような手をすることが多いですね。

追記Ⅲ ( 旅の効用 ) 
2018/1/3 10:05 by さくらんぼ

ところで私は、先日放送された、NHK・朝ドラ「ひよっこ」の有村架純さんが外国へ行った旅番組で、彼女がぽろり漏らした言葉を思いだします。

「旅の感動で、自分を取り戻せて、良かった」という(正確ではありませんが、概ねこのような)。

私はこの言葉で、若くして売れっ子になった彼女の、「俳優業という過酷」を思いました。

(私の誤解かもしれませんが)いつもドラマで喜怒哀楽を表現している彼女ですが、それは演技であり、旅にある本物の感動で、久しぶりに「自分と再会できた実感」を持たれたのかもしれませんね。そんな風に感じました。

今後のご活躍も応援しています。

追記Ⅳ ( これは「ネリーの混乱」を表現した映画 ) 
2018/1/3 15:23 by さくらんぼ

>お色気、愛らしさ満点ですが、ストーリーが前後して、少々(私には)意味不明っぽいところが映画「ノクターナル・アニマルズ」にも似ていました。(本文より)

>しかし、元々自己が分からない彼女は、どれが本物の自分なのか混乱し、病んでいくのです。(追記より)

もしかしたら、映画が「意味不明っぽい」のは、「ネリーの混乱を表現していた」のかもしれません。

すると、私が混乱したのも、制作者の意図した事かもしれませんね。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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