#ネタバレ 映画「ランボー ラスト・ブラッド」
「ランボー ラスト・ブラッド」
2019年作品
オヤジの傷を逆なでしてはいけない
2020/6/30 22:47 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
「まだ『ランボー』ってやってるの?」。
第一作を封切りで観た私にとっては、失礼ながら、それが正直な、観る前の感想でした。
しかし縁あって観に行くことになったのです。
私に女心は分かりませんが、やはりオヤジ心は分かるようです。
これはオヤジのための鎮魂歌なのでしょう。
ストーリーはありふれたものです。
しかし、ランボーというキャラとともに青春時代から歳をとってきた世代には、その他大勢の類似品とは一線を画すサムシングを感じさせます。
クリント・イーストウッド作品ほどの格調はありませんが、グロイシーンをカットすれば、彼が作ったと言われても、そんなに大きな違和感のない「オヤジのための良作」でした。
★★★★☆
追記 ( 映画「シェーン・エピソード0」 )
2020/7/1 8:41 by さくらんぼ
もし続編があるとしたら、この映画「 ランボー ラスト・ブラッド」は、(まだ存在しない)映画「シェーン・エピソード0」を想起します。
追記Ⅱ ( 映画「シェーン・エピソード0」② )
2020/7/1 9:38 by さくらんぼ
( 以下、映画「シェーン」と映画「リベンジポルノ」のネタバレです。 )
『 ひるがえって映画「シェーン」。
シェーンも人を殺めた過去を持っているようです。左手の薬指に指輪がありますから、浮気をした妻を殺めたのか、相手の男を殺めたのか、何にしろ色恋沙汰だったような気がします。
だから、わらじを脱いだ先で、そこの奥さんと三角関係になるシナリオなのでしょう。あれはシェーンの過去を説明していていたのだと思います。しかも、今度は自分が加害者になるのです。
当然にシェーンとしては、奥さんを奪うわけにはいきません。それは過去の自分を否定することになりますから。
シェーンはあの家庭を守るために戦い、密かに銃弾を浴びて瀕死の重傷を負い、それを少年に知られないようにして、去っていくのです。今にも崩れ落ちそうなシェーンを乗せた馬が墓場に入っていくところで映画は終わります。
映画「シェーン」には少年が出てきますが、童顔の(七海ななさん)がその役だったのかもしれません。
そして、シェーンが少年たちを助けた後、悟られないように死んでいったように、映画「リベンジポルノ」の先生も、真里(七海ななさん)に悟られないように死んでいくのです。
そして、映画「シェーン」は銃器のマナーについて語った映画でもありましたが、映画「リベンジポルノ」ではタバコのマナーになっていました。 』
( 映画「リベンジポルノ」追記Ⅲ~Ⅳ 2020/5/12 by さくらんぼ より抜粋 )
ところで、映画「ランボー ラスト・ブラッド」のラストシーンが、瀕死の怪我をしたランボーが、唐突に馬に乗って去っていくシーンなのです。
「…シェーン」と思いました。
その他の類似点を探してみたら、娘(ランボーは養父のよう)をめぐって、実父とのさりげない「三角関係」と、
娘にプレゼントするナイフという「武器をめぐっての会話」、
地下道という「開拓(「シェーン」では木の根っことの格闘)」などがありました。
探せばその他にもあるかもしれません。
ですから、馬に乗って出ていったランボーがもし生きていて、どこかで続編が作られるとしたら、その物語は「シェーン」だとイメージできたのです。
追記Ⅲ ( オヤジの傷を逆なでしてはいけない )
2020/7/1 9:52 by さくらんぼ
映画「ランボー ラスト・ブラッド」には、 ナイフで顔に傷をつけたり、痛そうなエグイシーンが満載です。
ランボーは、一気に倒せる相手でも、ここではいたぶってから倒しているように見えます。
トンネルなど、敵が全員入ってから爆破して埋めてしまえば、一瞬で終わりのはず。
しかし、そうはせず、一人ひとり、スキルを駆使し、味わうように始末していきます。
粘着質的とも言えそうな怒りの表現ですね。
そして、ナイフで顔に付ける傷も、自宅の庭に掘ったトンネルを敵の墓場にするのも、ベトナム戦争のトラウマの記号なのでしょう。
大きくて深い傷です。
追記Ⅳ ( オヤジの傷を逆なでしてはいけない )
2020/7/3 16:36 by さくらんぼ
私はランボーシリーズをほとんど観ていますが、どこで記憶の書き換えが起きたのか、ランボーの弓はウィリアム・テルが使っていたような、いわゆる「ボーガン」のように水平に構える物だと思っていました。
しかし、ロビン・フッドが使っていたような、アーチェリーのように垂直に構える物だったという事が、この映画「ランボー ラスト・ブラッド」でハッキリしました。
自分がアーチェリーを始めたのが10年ほど前からですので、(いまでもそれほど詳しくはありませんが)それ以前は弓矢に対してはまったくの素人に等しく、それも誤解を招いた理由の一つかもしれません。
それと、もう一つ付け加えるのなら、前作までのランボーは、弓を垂直ではなく、斜めに構える癖があったようです。あれが水平に構えるイメージを誘発して、「ボーガン」に結び付いたような気もします。私の知る限り、アーチェリー選手にはあのような(極端な)斜め構えをする人はいません。横で練習する人に迷惑がかかりますし、先生からも注意されるでしょう。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)