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#ネタバレ 映画 「天地明察」

「天地明察」
141分
人脈がないと天下は取れない
2012-10-23 13:33byさくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

若い頃、なんとかトゥモロウという雑誌を買ったことがあります。

ヤング・ビジネスマン向けの世渡りハウ・ツウ本で、私のお気に入りの一冊でした。喫茶店なんかに置いてあると必ず読みましたね。でも、おじさんになった今は立身出世の野心も消えましたので(もともと、ほぼなかったけれど)、久しくご無沙汰していますが、本屋さんに行くと今でもなぜか表紙の文言(記事広告)だけは凝視してしまうのです。今でも売れているのでしょうね。いや、こんな不安な時代だからこそ、ますます人よりも一歩先んじたい人たちからの需要があるのかもしれません。

私は映画「天地明察」を観たとき、その雑誌を思い出したのでした。

この映画は安井算哲が主人公ですね。いくら優秀でも、世の中を動かす時には、彼一人では力不足なので、トゥモロウのハウ・ツウ記事よろしく立ち回り、沢山の仲間の力を借りて、朝廷を動かすことにも成功したからです。

天才算術家の関 孝和も忘れることが出来ません。彼には才能があった。しかし、いくら才能があっても、名声や権力もなければ、当時の世の中に出ることは困難だった。彼は起業ならば安井算哲の共同経営者にもなる人物なのに、自分の研究のすべてを安井算哲に託したとは・・・哀しいですね。

この映画はトゥモロウの読者になるような若い人たちにこそ観てもらいたい作品でした。私はというと、もう少し短くまとめて欲しかった。120分を超える作品は、これに限らず観る前から気が萎えます。

★★★


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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