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#ネタバレ 映画「ポテチ」
「ポテチ」
2012年作品
制服をぬいでも人は秘密をもつ
2012/5/25 10:18 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
「制服をぬいでも人は秘密をもつ」、その最たるものが黒澤の「俺には人の心が解らない」というウソ(たぶん)なのでしょう。
黒澤は繊細な感受性を持ち、人の心の痛みが解る人間なのです。
映画の冒頭、無学な今村の話しを黙って聞いていたシーンや、クライマックスに今村に内緒で尾崎を登板させる作戦をたてたのもその証拠です。「能ある鷹は爪を隠す」といったところでしょうか。それに、そもそも「人の裏をかく泥棒にとって、人の心を読むことは必須の技能」だと思うのです。
また、今村もこれから、おそらく一生涯「赤ちゃんの取り違え事件」を胸にしまいこんだまま生きていくのでしょう。
それが最良の判断なのか否かを日々自問自答しながらも、一生言うことが出来ずに人生を終えるのでしょう。真実を明らかにすることが何でもかんでも人を幸せにするとは限らないからです。
でも、今村にはその秘密を共有してくれる同士がいて幸せでした。ひとりで背負っていくだけでは重過ぎる荷物です。
68分ですが意外と短い感じはしませんでした。感動を味わえたからです。それに料金も安かったですし、鑑賞後の疲労感も少なく、空いた時間に街ブラもできました。次回作も短時間と割安料金を期待します。
★★★★
追記 ( 黒澤の過去 )
2012/5/31 10:14 by さくらんぼ
でも、真実を隠すこともまた人を幸せにするとは限らない。
「ならどうすりゃいいの?」と叫びたくなりますね。だから最後には開き直る。「どうせ俺には人の心が解らない」と。
ここで黒澤のセリフとつながりましたね。
ここにもパズル(伏線)のワンピースがあったのです。
黒澤の過去にも重たい悩みがあったことが推察されます。だから人間にも陰がある。この様にAさんの過去をBさんの現在を描くことで間接的に説明する技法は映画でたまに使われていると思います。
それから、余談ですが「制服を脱いでも人は秘密を持つ」のモチーフとしては、脇役の美人局もそうでした。すなおに裸でした。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)