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#ネタバレ 映画「テルマ」

「テルマ」
2017年作品
目から血が…
2018/8/21 16:42 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

たくさんの映画賞を受けているこれは、

どうやら映画「キャリー」を彷彿とさせるものらしいです。

楽しみ。

「神に背く許されぬ初恋は、封印されたはずの“恐ろしい力”を呼び起こすー」

( チラシのキャッチコピーより )

追記 ( 「教科書を信用するな」 ) 
2018/10/24 21:57 by さくらんぼ

「光が点滅しますのでご注意ください」、みたいなテロップが出る作品は多々ありますが、この映画「テルマ」の点滅は尋常ではありません。

時間は短いですが、ヒロイン・テルマに発作を起こさせるために、実験室でわざと起こすわけですから、暗室の中、大スクリーンで観ている観客はたまったものではありません。きっと宇宙戦艦ヤマトの対閃光防御なみの覚悟が必要だと思います。

でも、アクションシーンは必要最小限であり、意外と真面目な人間ドラマですよ。

ノーベル医学生理学賞を受賞した、 本庶佑京都大学名誉教授が言われた、「教科書を信用するな」という名言を思いださせるような映画でした。

★★★★

追記Ⅱ ( 父の政策 ) 
2018/10/25 9:32 by さくらんぼ

50代になって、知人から「あなたはオーラが見えますか?」と問われて試したのが発端で、私にも両手からモウモウと立ち上る「気」や、全身から発光する「オーラ」も少し見える事が分かりました。

「気」や「オーラ」は誰にでも存在しますが、見えない人もいるので、見えるのは先天的な能力だと思います。しかし、多くの人は自分の能力に気づいていない。常識が邪魔をして、本来見えるべきものが見えないのです。

しかし最近、それ等が「科学的には存在しない」ことになっている事について、ふと、もしかしたら、これも当局の「政策」の一つではないのか、とも、思うようになりました。なぜなら、例えば気功師が承知しているレベルの事が、もし科学的に証明されたとしたら、それは世の中に混乱をもたらすのではないかと思うからです。

この映画「テルマ」は、その「政策」の物語でもありました。

追記Ⅲ ( 魔女狩り ) 
2018/10/25 9:36 by さくらんぼ

奇跡。

もしかしたら、古来からそれは存在したのかもしれません。

しかし、奇跡を起こす人は、ときに魔女狩りなどで迫害されたのでしょう。もし彼らの力を利用すれば、病を癒すことも出来たのかもしれないのに、世論は悪者として忌み嫌ったのです。

テルマのセリフにも「神と悪魔」という意味深なものがありました。

テルマの家系には、ときどき奇跡を起こせる者が生まれたようです。近年では祖母がそうでした。しかし、信仰厚く、医師でもある父により、「悪魔」なみの扱いを受けて、精神安定剤らしきものを大量に投与され、認知症のようにされて、病院などに幽閉されたのです。

そして、テルマにもその毒牙は迫りました。映画の冒頭では、父に狩りに連れていかれたテルマが、事故を装った父から、射殺されようとしたくらいですから。

追記Ⅳ ( 表裏一体 ) 
2018/10/25 10:07 by さくらんぼ

子どもに対する親の影響力(洗脳)はとても強いものです。

幼い時から「お前はダメな奴だ」「渡る世間は鬼だらけ」と叱り続けるのと、「お前は良い子だ」「渡る世間に鬼はない」と微笑むのとでは、子どもの性格は違ってくるでしょうし、人生も違ってくるのではないでしょうか。

テルマは悪魔として、喜怒哀楽の感情さえも封印されて育てられたのだと思います。そんな彼女が恋に落ちた。そのとき、テルマがLGBTだったことも判明したのです。

彼女の心にどれほどの嵐が吹いたのか。

その後、いろいろあって、彼女は悪魔ではなく、イエスの弟子のように、生きることにしたようです。奇跡の力は、封印するのではなく、善用するのでしょう。

ラスト、旅立つ彼女が、車いすに乗った母の、膝と頭に手を置いて、祝福するシーンが感動的です。

これは「自分探し」「自分と和解する」映画だったのかもしれません。

追記Ⅴ ( 最高学府 ) 
2018/10/25 10:18 by さくらんぼ

そして、この映画には大学の講義のシーンもあれば、最初と最後にはキャンパスのシーンもあります。

どうやら、この映画は大学の責任の重さも語っていたようです。

追記Ⅵ ( スマホ ) 
2018/10/25 15:46 by さくらんぼ

平成30年になりましたが、平成元年頃には、今のようなスマホはありませんでした。あったのは、ティッシュケース2つ分ぐらいの体積の、大きく重たい携帯電話。値段も高く、弁護士先生とか、会社社長などが持っていたぐらい。ステータスシンボルの一つでもありました。

もし、あの頃にタイムスリップし、今のように小さくて高機能なスマホの話をしても、誰も信じないでしょう。しかし今は、それを家族みんなが持っています。中には子供までも。

そんな今でも、私を含め、スマホの構造・原理を自分の言葉で語れる人は、まずいないはず。私たちは知っているようで、実は知っているつもりになっているだけなのです。

「自分は科学で証明されていることしか信じない」とは、映画「テルマ」の中の、男子学生のセリフ。それに対してテルマは、スマホの説明を求めたのでした。男子学生は言葉に詰まりました。世の中は神秘に満ちています。

この映画において、スマホは重要な記号でもありました。人は画面の向こう側とアクセスできます。テルマの超能力は、人を凍った湖の下に瞬間移動したり、ガラス窓越しに消し去ったりできます。

さすがに瞬間移動等までは、私も信じられませんが、「スマホと氷・ガラス」が関連付けられているとしたら、そのシナリオには納得できるわけです。

追記Ⅶ ( 本当のタブー ) 
2018/10/25 16:42 by さくらんぼ

この映画で一番ショックだったのは、唐突にテルマの上半身のヌードが出てくる事です。

大学生のテルマが湯船につかり、父がシャワーで髪を流していました。なかなか、きれいな裸でしたが。

なぜ唐突に…その理由を考えていて、分かった事があります。

この映画の冒頭には、父が幼いテルマを射殺しようとライフルを向けるシーンがあります。もしかしたら、あのライフルは男根の記号でもあったのかもしれません。つまり近親相姦の暗示です。

すると、映画の中に2~3回、黒いヘビが出てきて、テルマの布団の中や、口の中に入っていくシーンの説明が付きます。あのヘビも男根であり、それは父のものだったのでしょう。

伏線ですが、父がそうなったのは、母が車イスであることも、理由の一つかもしれません。

テルマにはなぜか幼いころの記憶がありません。忌まわしい記憶を自ら封印したのでしょう。悪くすると、これは多重人格になりかねない悲劇です。

父は、そんなテルマにLGBTの彼女が出来たこと知ると、追い打ちをかけるように、その恋を潰そうとしました。

断片的な、たくさんの記憶が繋がって、やがてテルマは、父が敵だと悟ったようです。

そして、父に報復し、母を開放し、自分は恋人と去って行くのです。

追記Ⅷ ( NHK「ガッテン!」 ) 
2018/10/26 10:24 by さくらんぼ

2018年10月24日NHK「ガッテン!」で、「認知症の人が劇的変化!“アイコンタクト”パワー全開SP」を放送していました。

被介護者の「真正面30~40センチぐらい」に介護者の顔を近づけ、「アイコンタクト」をしっかりしながら明るく話しかけると、寝たきりで薬も受付なかった人が、起き上がって自分で手鏡を見ながら、髪をとかし、他人と普通に雑談できるようになったのです。その劇的な効果に私も目を疑ったぐらい。知らない人が見たらまさに「魔法」「奇跡」です。

番組ではしきりに「アイコンタクト」の威力を語っていましたが、私は視線のエネルギーも思いました。

「視線を感じる」で知られていますが、目や第六チャクラもありますし、人の顔からもビームのように「気」のエネルギーが出ているようです。その科学では証明されていない未知の効果も、陰にはあるのかもしれないと。

「 誰もがいつか直面するかもしれない『認知症の介護』。介護する人が経験するさまざまな困った状況を、相手への接し方を変えるだけで、劇的に改善できる可能性があることが分かってきました。そのカギが“アイコンタクト”。

実は認知症の人は、認識できる視野の範囲が狭くなったり、認知機能の衰えによって介護する人が近くにいても気づかなかったりすることが。そこで重要なのが、相手の正面に入り、視線をしっかり交わすこと。

これを意識的に行うと、スムーズに意思疎通が取れるようになり、暴言や歩き回るといった症状が改善するという事例が相次いでいるんです。このアイコンタクトを重視する介護法の一つが、フランス発の『ユマニチュード』。」

( NHK「ガッテン」ホームページより抜粋 )

追記 ( 子どもにも )

これで思いだしたのが、昔本で読んだ、共働きや母子・父子家庭で、「忙しい親御さんが、短時間で子どもと心を通わせる手法」です。

一日に数分でよいので、同様に話をすると効果的なのだそうです。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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