#ネタバレ 映画「SAYURI」
「SAYURI」
2005年作品
経営者の手腕とは
2017/2/3 13:59 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
昔どこかで読んだ本に、「究極のプレイボーイは、単なるナンパなどせず、気に入った少女を見つけ、育てるところから始める」と書いてありました。この映画には、それを地でゆくエピソードが描かれています。
この様に恋愛映画ですが、それだけではないのかも知れません。
お茶屋のおかあさんも、会長さんも経営者です。
この映画は2人の経営者の手腕比べの話であったのかもしれません。
2人の内、会長さんは「育てて使う」のが特に上手なのかもしれません。その発露が、あのプレイボーイぶりに発揮されていたのでしょうか。
日本語吹き替え版を観ました。アジア映画になれているせいか、充分楽しめる一本となりました。
追記 ( 情操教育 )
いよいよ「プレミアムフライデー」がスタートしますが、ネットを見ていたら、土曜半ドン時代を思いだし「半ドンとは情操教育である」と喝破されていた方がいらっしゃいました。まさに慧眼です。( これは返信ではありません。)
(2023.9.16追記1.5)もう上記の記事を覚えていませんが、内容を想像するに、半ドンの午後は、帰り道に、どこでランチしようか、どこで遊ぼうかか、さりげなく好きなあの子を誘おうか、などと、毎週、夢見るからだと思います。その夢想を情操教育だと評したのでしょう。
わざわざ家から出て行く日曜日とは違い、仕事帰りの土曜半ドンは、道草の楽しみを与えてくれます。前日の金曜日からワクワクするのです。週休二日になって、その楽しみが消えました。
プレミアムフライデーを欲した官僚には、週休二日で消えてしまった半ドンへの郷愁が(少しは)あったのだと、個人的には思っています。
民間のプレミアムフライデーは不発に終わったようですが(コロナ過もあってか、今は週休三日うんぬんの時代になってしまいましたが)、週休二日になってからは、有給休暇でときどき金曜半ドンにする公務員もいたと思います。たとえ週休三日になっても、半ドンへの郷愁は満たされないでしょう。
追記Ⅱ ( 奉公人の制度 )
「密かに自分好みの女に育てる」と言うと、近年でも「誘拐・監禁犯」の事例があり、それだけみると、少々いかがわしい臭いも感じないわけではありません。
しかし映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の従業員・六子(堀北真希さん)や、映画「隠し剣 鬼の爪」に出てきた奉公人(松たか子さん)のように、古い日本には「奉公人の制度」がありました。
主人は奉公人の親代わりになり、仕事だけでなく、行儀作法や、読み書きそろばんまで教え、果ては、縁談や、独立の世話までみたのです(ある意味、主人好みの人間に育てた)。
今はどうか知りませんが、つい20年ほど前までは、たとえ勝手な恋愛結婚であっても会社の上司に仲人を頼むことが普通にありました。それは奉公人が「主人の顔をつぶさないように」と、気づかった名残なのかもしれないと、私は思っています。
( 2005/12/17 by さくらんぼ に加筆再掲したものです。)
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)