『しなければならない』を『したい』に変える PART2
●Part1はこちら↓
『しなければならない』を『したい』に変える|ほしや いとみ|note
前回は、『しなければならない』を『したい』に変えるために
行動の前に原因がある訳ではなく、行動の結果を見て原因を考える。
というところまでの話を書きました。
これをもう一度表にして見てみます。
●『直前』『行動』『直後』に分けてみる
前回のトシアキさんの例を行動随伴性の視点から『直前』『行動』『直後』に分けて、もう一度見直してみます。
得られる結果(原因)から、行動は変わります。
結果が好子なのか、嫌子なのか。
好子が強化されれば、次も同じ行動を取りやすい。
ところがその行動で過去に嫌子が出現すると、
好子と思っていた行動をしなくなる。
というわけです。
その好子出現の強化を利用したものがトークンエコノミー法です。
●トークンエコノミー法とは
トークン=貨幣の代用
特定の価値を持たせたスタンプやポイントのこと
エコノミー=経済
多くの人の財布には、たくさんのポイントカードやクレジットカードが入っていますね。
ポイントやマイルは、店側からすれば当然リピーター客を確保するためのものです。
お客である私たちはなぜその仕組みに知らずハマってしまうのでしょうか。
そこに、行動した後の『好子』の結果が関係してきます。
●トークンエコノミー法の利点
①他のお菓子や手土産のように負担にならない
毎回手土産やお菓子をもらっても”今は荷物になるからいいや” ”お腹いっぱいだし” ”ダイエットしてるし”と行動を止めてしまいます。
トークンエコノミー法を利用した場合も、ポイントを与えすぎると同じようなことが起きますが、直接もらえる食べ物よりも”とりあえず貯めておこう” ”貯めてもっといいものをゲットしよう”と高い頻度で望ましい行動を維持させやすくなるのです。
②視覚的な達成感がある
100個のスタンプで1,000円の金券が得られるというシステムがあるとすると、そのスタンプは99個では無効で、ただの紙切れになってしまいます。
だからこそ、100個貯めた時に、達成感が得られるのです。
→コンプリート感を得られる。
→せっかくだから、次の目標まで貯めようと考えることも。
但し、トークン(好子)と行動のさじ加減に問題があると結果は出ません。
●トークンエコノミー法の注意点
・遠すぎる目標
駄菓子屋さんで100円で1ポイント、100,000点貯めないと達成できないようなゴールでは、はじめから貯める気にはなれません。
・目標に行くまでの途中の小目標の工夫
あと1ポイントで1,000円の金券になる美容院がある場合、それをゲットするためにその手前に他の店舗があったとしても少しだけ足を延ばしたくなりますよね。
しかし、まだそのお店で少ししか貯まってなかったら、やはり目標が遠いので手前のお店に入るでしょう。小目標を設定することでそれを防ぐ効果があります。
・目標と好子のバランスが悪い
1年かけて一生懸命に貯めたのに、景品がポケットティッシュ1個だったとしたら、2度と行かなくなるかもしれません。
・手応えがない
宿題やお手伝いの約束をなかなか守れない男の子がいました。
そこで、トークンエコノミー法を用いて、約束を守ったらお小遣い5,000円に加え+100円ずつのポイントをあげることにしました。
しかし彼の行動にほとんど変化はありませんでした。好子出現のはずですが、金銭感覚のずれがみられたのです。
→元々もらっている5,000円で足りている。
→遊んでいてももらえるお金で日々は足りているのに、やりたくないことをやってまでの100円はいらない。
そこで、小遣いをゼロにした上で、宿題を毎日やり、皿洗いを2日に1回程度やると6,000~7,000円になるように再設定してみました。
最初文句を言っていた男の子ですが、そのうち生き生きとした姿に変わったそうです。それどころか8,000円以上も稼ごうとするようになったそうです。
『やればやっただけ手応えのある仕事』が好子出現の強化に繋がったのです。
トークンエコノミー法は、不登校の子どもさんやADHDの方にも応用が効くそうです。
他にもたくさんの例がありました。
その際の注意点等の詳細もあります。
詳細を知りたい方は、メリットの法則 著:奥田健次を是非ご一読ください。
さて、この男の子は『やりたくないこと』をわくわくしながらの『やりたい』に変えることができました。
次で『しなければならない』を『したい』に変える
についてまとめたいと思います。
書いていると自分の考えがまとまってくるので、ありがたいです。
今日も皆さんにとって笑顔の多い1日になりますように。
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