トレーニンググラブで守備力を向上させたい!!という話④ 〜イーグル27ウェイト〜
著・原島(監督) 編・梅村(部長)
皆様こんにちは。
Twitterとは恐ろしい所で、その道のプロが素性を隠しながらわいわいやっているプラットフォームです。少しでも変なことを言えば、とんでもなく鋭い牙意見が飛んでくるので、Tweetひとつ投稿するのにも監督は戦々恐々です。
それに対して部長はガンガン発信します。Twitterの奥底に巣食っている扱いに長けている部長の頼もしさよ。そんな部長の弱点はInstagramと送りバントです。
送りバントの効果が疑問視されてきた昨今でも、高校野球界では送りバントをする場面を依然目にします。今年(2023現在)の甲子園予選でも送りバントがよく見られます。1アウト一塁での送りバント(しかも終盤でもローゲームでもない)を見て部長が発狂している姿を見るのが夏の風物詩となっているくらいです。「通年成績で競うNPB・MLBとは違い、負けたら終わりのトーナメント形式である高校野球にセイバーの理屈は通用しない」という趣旨の発言を他校の監督さんから偶に聞きますがどうなんでしょうか。
これこそ鋭い意見が飛び交いそうですね。避難させてもろて。では今回もよろしくお願いいたします。
Valle Training Gloveシリーズのキャッチャーミット編です。
前回はイーグル27・ハーフウェブについてご紹介しましたが、話が長くなったので分割して今回に引き継ぎました。
前回はキャッチャーをやっていた子にイーグル27・ハーフウェブを渡したら、キャッチングと握り替えの上達が見られましたという内容でした。
今回はその続きとなります。
1.重いミットに何の意味が?
今回ご紹介するのは「イーグル・27ウエイト」です。販売元はいつものレジ―スミスベースボール:ジャパン様です。
このミットの特徴はなんといっても重いこと。約875gあります。通常のミットはおおよそ700~800gなので(レジ―スミスベースボール:ジャパンより)、イーグル・27ウエイトはそれより約100g重くなっている設計です。
その程度で大げさなといる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、イーグル・27ウエイトを手にはめてキャッチングすると手首がかなりキツイことになります。腕が上がらん!
しかも、このミットは他のキャッチャーミットより一回り小さい設計となっております。重くて取り回しにくいのに小さくて捕る範囲が小さいとかどないなっとんねん。
使う側からすると難易度の高い道具なので忌避感が生まれそうですが、イーグル・27ウエイトの効果は抜群です。以下簡潔にまとめます。
・試合で使うキャッチャーミットが取り回しやすくなる(=フレーミングの精度が上がる)
・投球軌道を意識して捕球できるようになる
まず当たり前ですが、試合で使っているキャッチャーミットが取り回しやすくなります。え、こんなに軽かったの?となるぐらい捕りやすくなります。また、同時にフレーミングの動きをしやすくなります。なおかつ普段のキャッチャーミットのほうがトレーニンググラブより物理的に大きくなっているので、捕れる場所(ポケット)も自然と広くなります。捕りにくさが逆に成長につながるということです。
そもそもイーグル・27ウエイトで捕っているときは、ミットを早めに動かさないとボールを弾いてしまいます。そうならないように、子どもたちはいつもより集中して投球を見て捕球しています。特に投球が上下左右に大きくズレたときには、投球直後のボール軌道をしっかり見るようになります。また、変化球の場合はストレートのようにまっすぐ来ないので、どのぐらい曲がるかを考慮したうえで捕球できるようになりました。
このようにイーグル・27ウエイトを使って練習することで、フレーミングの精度を上げることができました。これが最も大きいところですが、キャッチャーが投球軌道をより注意してみるようになったので、思わぬ副産物もあったというわけです。
2.ミットは動かして止めるようになりたい
矛盾を言っているようですが、これがキャッチングのコツとなると考えています。特に指導するときは「ミットを外から中へ動かして止める」ようなイメージを持つように言っています。
さらに細かく言うなら、
外から中→ ボールゾーンからストライクゾーンへ
動かして止める→ 球の勢いに負けないように動かして止める
ということです。
これだとボキャ貧で分かりにくいので図を用いて子どもたちには指導しています。
このように、ミットがボール外へ流れないように「ミットを外から中へ動かして止める」ことが大切だと伝えています。
しかし、ミットを大きく動かしてしまうと審判に悪い印象を持たれたり、捕球ミスを起こしたりする可能性が出てくるため、左右に動かすのはほんのちょっとの意識でいた方が良いのではないかと考えています。具体的にどの程度の動きにするかは選手のやりやすいイメージに任せるようにはしていますが。
この際に「捕球した後にミットを動かす」という認識だと不自然に見えてしまいます。そのため、本校では「動きながら捕球する」や「ミットとボールを合流させる」という表現をしています。
3.質>量なのか?
近年「効率(質)の良い練習」の必要性が叫ばれています。ネットで調べれば様々な練習・トレーニング方法や練習器具が紹介されており、その数はもはや過多と言えるほどです。
これらは「効率(質)の良い練習」や「ライバルと差をつける練習」という文言とともに紹介されています。それ自体に僕としては全く不満なく、むしろ「はえーすごい」と勉強になるようなものばかりです。ただ、引っかかるのが「これさえやれば一発で解決します!」といういかにも子供が飛びつきやすい言葉を使っていることです。壁にぶつかって伸び悩んでいる子供にとって、このような文言は魔法の言葉に聞こえるでしょう。ベンチ入りの当落線上にいる子や、レギュラーを目指してライバルと競い合っている子だったら尚更だと思います。
なにはともあれ効率(質)の良い練習が広まっている昨今ですが、これらの練習は繰り返し行う必要があります。その練習を2日3日やったら劇的に変わるということは無く(個人差あり)、ある程度の期間を黙々と練習をして習得していくということが大前提となるわけです。
そんなの当たり前やろという話なのですが、「これをやれば一発で良くなる!」と期待している子がいま増えてきています。せっかく保護者の方から良い練習道具を買ってもらったのに、しばらくしたら使わなくなっている…なんてこともあります。「あれ使わないの?」とこちらから聞くと、「使ってみたけど効果がなかったので辞めました」と返ってくるのです。
あくまで効率の良い練習は「黙々と取り組んだうえで効果がある」という前提を忘れずにいてほしいものです。練習にしろ道具にしろ、ある程度効果を見極める期間が必要ですので、あっさりと見切ってほしくないなあ。
私見ですが、ある技術を習得するきっかけの掴みやすさに「質」は焦点を置くべきでしょう。そして、そのきっかけを掴む時間と無意識でできるようになるための時間を「量」と捉えて練習に励む必要があると考えています。習得したい技術のレベルと練習量は比例していくので、どんな練習でも「一発で覚えられる」ということは難しいと子どもたちには理解してほしいですし、発信する側にも安易な言葉を使わないようにしていただきたいです。まあ発信する側は仕事でやっているので仕方のないことだと思うのですが…。
かなり脱線しましたが、一連のトレーニンググラブは地道に使い続けることが大切だと考えています。ゴロ捕りにしろフレーミングにしろ、プレー中にいちいち意識している余裕はありません。無意識にそのプレーができるように日頃から練習量を重ねていく必要があります。
ここまでご覧くださりありがとうございました。
シリーズで紹介させていただいたValle Training Glovesに興味を持った方は以下のリンクから詳細をご覧ください。
・レジ―スミスベースボールジャパン
・Valle Training Gloves(海外のサイトです)
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