何度でも飛ぶ精神で。「笑顔製造業」を実現し10倍の規模を目指す老舗ベンチャー青柳総本家『新社長』後藤稔貴が視る未来
2024年「第二創業期」
-コロナ禍では90%近く売上が低迷するなど、苦しい時期もあったと思いますが、今の青柳総本家はどのような状況と捉えていますか?
今の青柳総本家を一言でいうと「第二創業期」です。
コロナ禍の2020年は本当に大変でしたが、2021年、2022年と様々な取組みをしていく中で売上も回復していき、2023年は2019年と遜色ない結果まで回復させることができました。
ただし、2019年以前の青柳総本家について、実は売上が年々下降トレンドで推移していたんですね。なので、正直なところ「2019年の状態に戻る」だけでは絶対にだめだという危機感ももっていたんです。
私の座右の銘は「現状維持は衰退である」なのですが、2019年以前の青柳総本家はまさに現状維持の状態であり、徐々に衰退していたという状況と捉えています。
なので、コロナ禍から回復の目途がたってきた2023年からこの先の会社をどうするかを考え始めました。
そして、より成長していくことを決め、社内の改革を進めていくことにしました。現在はその改革中であり、最初に話した「第二創業期」が1番合っているのかなと思います。
10倍以上の笑顔のきっかけを作る
「笑顔製造業」
-話を分けて伺いたいんですが、「この先の会社をどうするか決めた」について具体的に聞かせてください。
コロナ禍ではとにかく今日、明日、来月を何とか生きぬくために先のことなんて考える余裕はなかったのですが、ある程度落ち着いてきた中で、目指す先を決める必要があると考えていました。
先ほどお話した通り、現状維持は選択肢となかったのでどう成長するのか、成長した先で何を実現するのかを考えることにしたんです。
行きついた答えが
・青柳総本家は「笑顔製造業」を目指す
・今の10倍の規模を目指す
の2つです。
青柳総本家では、ういろうやカエルまんじゅう、ケロトッツォなどの和菓子、洋菓子をお客様に提供しています。しかし、その本質は菓子製造業ではなく、青柳総本家に関わる人、社員、お客様、お取り引き様を笑顔にすることをしていくことであり、「笑顔を製造する会社(≒笑顔製造業)」であると考えにいきつきました。
そして、どれだけのお客様に笑顔になっていただくかでいうと、今よりももっと多くの方に笑顔になってもらえるような価値を提供していきたいと思い定量観点で10倍と設定しました。
-「笑顔製造業」となると今のお菓子を提供するビジネスとは違うかたちも考えられそうですね
まさにそこです。もちろん、ういろうや、カエルまんじゅう、他の商品についても、お客様に笑顔を提供できていると思いますし、引き続き様々なチャレンジをしていきます。
ただ、そこだけにこだわることも良くないという考えがあり、青柳総本家の歴史を紐とくと、昔はメキシカン、フレンチ、イタリアンを運営していたこともあるんです。飲食業は笑顔になれる空間を提供しているビジネスでもあると考えています。他にも様々なチャレンジをしている中で、根底にあるのが「笑顔」だと気づき、今やっているビジネス以外にも様々な手段で「笑顔」を提供しても良いんだと歴史を振り返ることで学びました。
私は定期的にDJもしているのですが、DJとして空間をどう演出し、お客様に「笑顔」にな提供できるかということを考えていますので「笑顔」というのは私にとって、重要なキーワードだと感じています。
なので、菓子製造業だけに囚われず、多様なアプローチで笑顔の提供をしていきたいと思います。
-とても理解できました。続いて、第二創業期ということですが、もう少し具体的に聞いてもいいですか?
まず、課題感として10倍の規模への成長が今の延長線上にはないと考えています。
弊社はこれまで属人的な運用で個の力に助けられて事業運営をしてきました。一定規模までは、その戦略でも良いと思いますが、この先、10倍の規模を目指すとなると仕組み化を意識した組織としての力をつけていくことが必要があると考えています。
その1つとして、事業の管理体制を強化する目的で基幹システムなど、元々利用していたシステムの見直しを行って最適なものにリプレイスする検討、導入を始めています。
ある程度予想はしていましたが、やはりシステムのリプレイスとなると簡単にはいかず、想定よりも時間がかかっています。実はここ数ヶ月、ケロトッツォの通販であったり、2023年の7月に販売したケロトッツォのぬいぐるみの再販など、やりたいことができていないんです。本当はもっと積極的にやっていきたいのですが、システムのリプレイスを優先して進められていない現状があります。
数十年ぶりの新卒採用を実施して8名の仲間が
-ケロトッツォの通販など、毎回とても反響がありますよね
そうですね。反響が大きかったこともあり多くのお客様から問い合わせもいただいており、対応出来ていないことが大変心苦しいのですが、今後は必ず今より大きな規模で展開しますので、お待ちいただけると嬉しいです。
変革について、続いては人財ですね。
2023年、新卒の採用を数十年ぶりに挑戦しました。
弊社の平均年齢は年々高くなり、若手社員が少ないという課題がありました。
なので、新卒採用にチャレンジし、2024年春から新たなに8名の仲間を迎えることができました。この会社を選んでよかったと新卒のメンバー本人、及びご家族の方々にも思っていただける会社にしなければいけないと強く決意しました。
そして、これまで経営として教育に力をいれてきてなかったので、新卒に限らず、既存社員向けにも教育を強化していき組織全体としてしっかりアップデートをしていきます。
ベテラン、中堅、若手社員、みんなが活躍出来る会社を目指します。
名古屋を笑顔に、日本中を笑顔に、
世界中を笑顔に
何度でも飛ぶ精神で
老舗ベンチャー青柳総本家
-本当にいろいろと変わっているんですね。次に話を変えまして10倍の規模を目指すにあたり考えている取組みはあるんでしょうか?
いろいろと考えやアイディアはあるのですが、まだ明言できるものは少ないですね。ただし、言えることとして名古屋以外のエリアも想定しています。それは日本に限らずです。
海外も視野に入れているのでここ数ヶ月は海外視察に力を入れていました。
なので、名古屋の方はもちろん、日本全国、そして世界中の方が「笑顔」になる取組みを仕掛けていきたいと考えています。
あと、本気で何度でもチャレンジをしていくことですね。
弊社のロゴマークである「柳にとびつくカエル」は小野道風の故事より「目標に向かって何度でも努力を繰り返す青柳のチャレンジ精神」を象徴したものになります。
私は社長として、何度でも努力を繰り返す「チャレンジ精神」を大事にしていきます。前述した私自身の座右の銘である「現状維持は衰退である」にも通じますし、過去の青柳総本家も本当にチャレンジの連続だったんです。先ほど話したメキシカンレストランもそうですし、多くのチャレンジをして失敗も成功も積み上げてきています。
なので、青柳総本家は「ベンチャー企業」なんです。
今の10倍以上の方に笑顔になるきっかけを提供していくにあたり、たくさんの失敗をすると思います。しかし、どんなに失敗しても、ロゴマークの思いも踏まえ、何度で努力を繰り返し、飛び続けていきたいと考えています。
ーありがとうございます。最後に読者に一言お願い致します。
現在、第二創業期と位置づけて、対外的にはどちらかというとそこまで活発な活動はできていないんですが、直近はエヴァンゲリオンとのコラボであったり、この先もいろいろと企画を仕込んでいます。
ぜひ楽しんでいただければなというのと、来年以降はさらに勢いをまして、より多くの笑顔を創出できるようにチャレンジしていきたいと考えていますので、引き続き、青柳総本家を宜しくお願い致します。
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