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「子はかすがい」ってほんとだねって、夫と顔を見合わせた話

 我が子は現在1歳9ヶ月。1歳6ヶ月の終わり頃からやっとお喋りをしだした。最近は話す単語も増えてきて、少しずつだが、意思の疎通も取れるようになってきた。

 自転車で保育園へ向かう時、
「あか!ブッブー!きたぁ!」
「わんわん!きたぁ!」
「アシュ(バス)!きたぁ!」っとずっとお喋りするくらい。可愛い。

 でも、私が子どもに教えられたのは、何となくこちらの言うことはわかってそう。でも、まだお喋りはするかしないか…、という頃のことである。



 私たち夫婦は、付き合って5年で結婚した。結婚してからもさらに5年が経過して、もう10年以上も一緒にいる。

 比較的仲はいい(と私は思っている)が、いかんせん、夫はいらない一言が多い。その一言、絶対いらんやろと言うことを何の気無しに言うのである。まあ、それに怒る私も私なのだが。

 その日も何かいらないことを言った。もう何かは覚えていないくらい些細で、瑣末なこと。

 私は、なんて?と言いながらわき腹を攻撃した。まあ、ちょっとした夫婦のじゃれあいである。


 でも、これに怒った。めっちゃ怒った。息子が。

 たぶん、父ちゃんがいじめられてる…!と思ったのだと思う。

 叫びながら、私の手を取る。もう片方の手で、夫の手を取る。


 そして、それをぎゅっと繋がせた。

 あぁ、こんなまだろくに話せない子でも、親には仲良くしてほしいのだと衝撃を受けた。

 仲良しよ!ほら仲直りと言って、繋いだ手をぶんぶん振って、その場はおさめた。息子の怒りも何とかおさまった。

 保育園で仲直りする時はこうしてるのかな?のかなと思いながら、いずれにせよ、こんないじらしい事をされたら、ちょっとした怒りなんて続くはずもなく。

 むしろ、不安に感じさせてしまったかなと申し訳なさも感じつつ。

 「子はかすがい」ってほんとだねって、夫と顔を見合わせた。

 息子のためにも、仲の良い夫婦でいないとなと思った、そんな何でもない休日の出来事。

#子どもに教えられたこと




 今回、創作大賞に小説を投稿してみようと挑戦するにあたって、過去の仕舞い込んでいたエッセイを見直しています。

 これを読んで思ったのは、“覚えてない”!
どんなにその時、ハッとさせられたことでも、だんだんと忘れていくものですね。

 文字にして残しておくことの大切さを感じました。

 今も夫とは仲良しです。突然の惚気。

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