熱い体を冷やすのは
暑い。とにかく暑い。
容赦なく降り注ぐ、火傷しそうなくらい熱を持った日光に、げんなりとする毎日。
「おれ、暑いの好きやねん!全然暑くない!」
元気いっぱいの5歳児に、目を見張るばかりである。母ちゃんはもうダメやわ……。
こんな日々の、食後のデザートは冷たいアイスに限る。昨日、1週間分の食材を買いに出掛けて、アイス2箱を、カゴに放り込んだ。
フルーツバー16本入りと、ラムネバー10本入り、計26本。既に1人1本食べたので、残り22本。このままだと1週間保たない。
2歳の娘は上手く囓ることが出来ずに、べろべろと舐めるばかりで、パジャマに上下ともシミを作っていた。
「アンパンマン、ぬれちゃったねー」
そう言って、せっせと着替えていた。
そんな中、こんな記事を見た。
世にも美しいかき氷。
食 べ た い ! !
一気に口の中がかき氷を求める。
記事によると、気温が34度を超えると、アイスよりもかき氷が優位になるらしい。
変わり種のかき氷はどんな味なのか想像もつかない。最近、このあたりでも豪華なかき氷を展開する店が増えたように思う。
とは言っても、子どもたちを連れて映えるかき氷を食べに行くのは現実的ではない。きっと乗っているトッピングをばらばらと落とし、服は濡らして、途中でもういらんと言われ、頭を痛くしながら頑張って食べる未来が見える。
かと言って、大人だけで食べに行くのもなかなか難しいのが現実。
そこで頭をよぎったのは、しゃこしゃこしゃこと、ハンドルを回す音。
幼い頃に、某赤いリボンの白い猫を形どったかき氷機で、自分で作ったかき氷。毒々しいまでに鮮やかなシロップをたっぷりとかけた。先の尖ったプラスチックの容器に入ったそれは、不思議となかなか無くならなかったように思う。
あのかき氷機はもう捨ててしまったかな。そう思いながら、子どもたちとかき氷を作る姿を想像する。きっと自分が先にやりたいと喧嘩をするだろう。食べた後は、シロップの色で舌が青や黄色に染まる。
うん、でも、悪くない。
帰ったら、ネットでかき氷機を探してみよう。
そして、果物をたくさん乗せた、豪華なかき氷を作って、家族みんなで頬張りたい。