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【小説】私なんてに、さよならを

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門  応募作 「私なんてに、さよならを」をまとめたものです。 全5話 【あらすじ】 関西に住む大学2年生の美月みづきは、半年付き合った彼氏の浮…
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「私なんてに、さよならを」 第1話

「私なんてに、さよならを」 第1話

「ここで、新郎様から新婦様へ、サプライズのお手紙があるという事です。
では、お2人ともお立ちになって、こちらへどうぞ」

 高砂の後ろに、見つめ合う形で立った僕らは、照れ臭さに笑い合う。僕は、どうにか綺麗な文字で書こうと頑張った白いシンプルな便箋を、封筒から取り出した。

「美月へ
 今日という日を迎えられたことに、心から幸せを感じています。

 美月がいたから、それまでの自分を変える事が、自分の

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「私なんてに、さよならを」 第2話

「私なんてに、さよならを」 第2話

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 中学生の頃は男女6人のグループで仲が良くて、そのうちの1人が冬吾だった。グループ内の愛莉は他校に彼氏がいて、もう1人のほのかは先輩に片想い。2人とも私が冬吾を好きな気持ちを応援してくれていた。

 ただ、男子たちには全然伝わらなかったようで、私はお調子者として、漫才のようなやりとりを日々繰り広げていた。

 そんな中でも、毎日話しているとたまには恋バナにもなるもので、とある

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「私なんてに、さよならを」 第3話

「私なんてに、さよならを」 第3話

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 愛莉とほのかと知り合ったのは、小学生の頃だった。

 それまでは顔と名前は知ってる程度だったが、初めて同じクラスになった小学5年生の時に、典型的な体育館裏への呼び出しをいただいた。調子に乗ってるという典型的なセリフも添えて。

 建物の日陰で、じめっとした地面。伸び切った雑草の先が、時折足元を撫でるのに不快感を感じるけど、それよりも目の前からの冷えた空気の方がいたたま

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「私なんてに、さよならを」 第4話

「私なんてに、さよならを」 第4話

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 私を支えてくれた愛莉やほのか、仲野先生、侑雨ちゃんみたいに、花乃ちゃんの力になりたい。冬吾のことも頭の片隅に無いことなかったが、花乃ちゃんへの思いの方が断然勝って、私はその後も子ども食堂に通い続けた。他にもよく話す子ができてきて、花乃ちゃんも徐々に輪に入れるようになってきた。

 しかしある日、ショートカットのパンツスーツの女性が凄い剣幕で入ってきた。

「すみません

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「私なんてに、さよならを」 第5話(完)

「私なんてに、さよならを」 第5話(完)

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 ぱりっとノリのきいたシャツに、クリーニングに出してからまだ袖を通していないスーツを身にまとい、最後に落ち着いた色のネクタイをきつめに締める。

 娘さんを僕にくださいっていうのは、何だか物扱いしているようであんまり好きじゃないなと頭をよぎり、何と伝えるのが良いのか、とぐるぐる思考は巡る。

 ただ、今日1番緊張しているのは美月だ。自分のわがままに付き合わせるのだから、しっかり

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