暑い夏に熱いジャズ
"The Little Giant" Johnny Griffin(Riverside/1959)
Johnny Griffin - tenor saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Julian Priester - trombone
Wynton Kelly - piano
Sam Jones - bass
Albert "Tootie" Heath - drums
「リトル・ジャイアント」の異名を取る文字通りの「小さな巨人」のサックスは、ジョニー・グリフィンですね。コルトレーンが出てくるまでは数々のセッションで名を馳せたハードバッパーで特にセロニアス・モンクとの共演で有名です。まあ、マイルスのグループに誘われなかったのは目立ちすぎるからでしょうかね。このアルバムも三管なのに骨太のテナーで歌い上げています。
リバーサイドでやる前のブルーノート盤もあるのですが、やっぱ「リトル・ジャイアント」とタイトルにあり、共演者も最高のメンバーで曲も素晴らしいこのアルバムに止めをを刺すと思います。
トランペットのブルー・ミチェルはここではそれほど目立たないというかジョニー・グリフィンが目立ちすぎるからサポートに徹していますね。Julian Priesterもトロンボーンという楽器で前に出ていく楽器でもなく、グリフィンのテナーを気持ちよく引き立ててくれます。
そして推進力になっているリズム・セクションも素晴らしいです。ウィントン・ケリーはこういう明るい感じのジャム・セッションではいいですね。トミフラにはないコロコロ転がしていくソロで推進力アップです。そして、アルバート・ヒースはヒース兄弟の三男坊でやんちゃな感じのドラマーです。そこでビシッとまとめてあげているのがベースのサム・ジョーンズですかね。なかなかのベーシストです。
そのメンバーが盛り上げてのジョニー・グリフィンは実に気持ちよさそうに吹き上げます。まさに吹き上げる感じのテナーで、より大きく感じるのが音でもわかります。ただコルトレーンが出てくるとやはりこういうテナーは流行らなくなる。あまり精神性もない感じですかね。ただ陽気にこんな暑い夏でも吹ききることに彼の存在理由があります。
(ジャズ再入門vol.90)
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