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モダン・ジャズ再入門は、MJQの『ラスト・コンサート』

1974年11月25日 NY,
リンカーン・センター「エイブリーフィッシャー・ホール」にて
ジョン・ルイス(ピアノ)
ミルト・ジャクソン(ヴァイヴ)
パーシー・ヒース(ベース)
コニー・ケイ(ドラムス)

これは私のモダン・ジャズ入門アルバム。当時はコンプリート版じゃなくレコードの二枚組だったけど、ディスコで疲れて泊まった先輩の家で聴いたのだった。このレコードが目的じゃなく、当時最高峰というJBLのスピーカーがあるから聴きにきてと、誘われたのだった。最初にジミヘンをかけてくれたのだが、ディスコ疲れと深夜で大音量で聴くこともままならず、その後にこのレコード聞かせてくれた。そのとき突然の彼女の訪問。妹だと言っていたが違うと思った。都会の人(三軒茶屋に住んでいたので)は違うなと思って彼女が軽くリズムを刻むのをいいなぁと眺めていた。そして朝には帰ったけど悪いことした。その朝にもう一度聴かせてもらって生涯忘れらない一枚となっていた。

スタンダード中心で「ラスト・コンサート」という事件が示す一回性。その緊迫感。「朝日のようにさわやかに」は一曲目に相応しく、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)ならではの爽やかな曲。朝の目覚めに相応しいく、喫茶店のモーニング時にかかっていそうなBGM的な曲なのだが。

MJQがたたのイージリスニングのグループじゃないことは、ディジー・がれスビーの超有名曲「チュニジアの夜」、チャーリー・パーカーの曲「コンファメーション」、セロニアス・モンクの曲「ラウンド・ミッドナイト」、マイルスのモード・ジャズで有名な「ホワッツ・ニュー」とビ・バップからジャズの歴史の元で働いてきてグループだったらこそのスタンダート演奏。

そしてラスト2曲、「ジャンゴ」はジプシー・ギターリスト、ジャンゴ・ライハルトに捧げられたジョン・ルイスの超有名曲。MJQのアルバムでも有名になった曲だけに彼らの18番(おはこ)だ。そして、本当のラストのアンコール曲は「バグズグルーブ」。バグズはミルト・ジャクソンの渾名で目の下が袋状にたるんでいるから。「バグズグルーブ」こそはジャズの歴史を作った曲なのだ(マイルスとモンクの喧嘩セッション)。このメンバーもヴィブラフォンでミルト・ジャクソン、ベースのパシー・ヒース。そして、ドラムのケニー・クラークは初期MJQメンバーだった。セロニアス・モンクの後釜に座ったのがジョン・ルイスなのだ。そのラスト2曲の素晴らしさ。これぞジャズ!

(ジャズ再入門No.1)



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