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浅川マキというジャズ

浅川マキ”MAKI LIVE"

71年12月31日、新宿・紀伊國屋ホールでの年越しライブの模様を収録。ミュージシャンは今田勝、稲葉国光、つのだひろ、萩原信義ら。
ライブアルバム史上に残る最高傑作とも評される。
浅川マキ - Vocals
今田勝 - Piano & keyboard
稲葉国光 - Bass & Electric Bass
つのだ・ひろ - Drums
市原宏祐 - Flute & Percussion
萩原信義 - Fork Guitar
杉浦芳博 - Twelvestrings Fork Guitar
Side A
別れ 作曲:浅川マキ
赤い橋/ 作詩:北山修/作曲:山木幸三郎
にぎわい/ 作詩:浅川マキ/作曲:かまやつひろし
ちっちゃな時から/ 作詩:浅川マキ/作曲:むつひろし
朝日樓(朝日のあたる家)/ 作曲:PD TRADITIONAL/日本語詩:浅川マキ
かもめ/ 作詩:寺山修司/作曲:山木幸三郎
Side B
少年/ 作詩・作曲:浅川マキ
死春記/ 作詩:真崎・守/作曲:浅川マキ
ピアニストを撃て/ 作詩:寺山修司/作曲:山木幸三郎
オールド・レインコート/ 作曲:ロッド・スチュワート/日本語詩:浅川マキ

ガソリン・アレイ/ 作曲:ロッド・スチュワート & RONALD DAVID WOOD/日本語詩:浅川マキ
さかみち/ 作詩・作曲:浅川マキ

浅川マキがジャズかと言われれば違うかもとは思う。しかし、ジャズをやっているところもある。厳密なジャンル化などできない歌手がいる。シャンソンを歌えば、ロックも歌う。寺山修司を歌えば、ジャズも歌う。で、彼女は浅川マキを歌う、それでいいのだ。

このアルバムはライブ盤ということもあって、統一感があり通して聴くには聴きやすいと思います。ベスト盤のチョイスもあったのですが、浅川マキはいろんなパターンを持つ歌手だけにかえって疲れてしまうかもと思いました。このライブ盤の寛いだ中での生演奏であるという一回性の緊張感が、まさにジャズに共通するものでもあるのです。

代表曲「赤い橋」からブルース・ナンバーの「朝日樓(朝日のあたる家)」、シャンソンの元歌がある「かもめ」、日本的な抒情歌「死春記」などライブ会場のおしゃべりと共に繰り出される浅川マキの世界。ジャズのスタンダードはないのですが、それは他のアルバムを探して見て下さい。ただ何を歌っても浅川マキになっています。

(ジャズ再入門vol.54)

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