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シン・短歌レッスン181

 



NHK短歌

“ものがたり”の深みへ テーマ「踊る」
大森静佳さんが選者の「“ものがたり”の深みへ」。今回のテーマは「踊る」。ゲストは作家で、歌集も出版している町田康さん。司会はミュージシャンの尾崎世界観さん。

ゲストが町田康で期待してしま。そう言えば歌集だしたんだよな。

町田康がグラサンしたヤクザで大森静佳を恐喝しているような構図でやりにくそうだった。尾崎世界観は一応先輩作家でもありミュージシャンだから一目置いているようだ。いつもはじわじわやドキッはもっと出るのだがあまり出なかったな。大森静佳が三席上げた歌はまったく町田康好みじゃなかったようだ。

作るなよ
自在自由に
作られろ
豚に生まれろ
それが歌やぞ 町田 康

「自在自由」という言い方が仏教っぽい。初句と三句目と四句目は命令形で、結句も「ぞ」の強調だった。強い句だな。初句でもあるし。

革命のなき
国にゐて
盆踊りの
輪とふ輪廻に
身を預けたり

町田康が唯一ドキッを出した歌だが、旧仮名が良いとのことだった。大森静佳とはファンタジーさが違う。「瘤取り爺さん」の現代語訳は、尾崎世界観も好きそうなミュージシャンねただった。

踊りたい
気持ちが夜空に
穴をあけ
雀わんさか
降ってきたっけ 大森静佳

町田康の「こぶとりじいさん」からの歌だがやりにくそうだった。話し言葉が町田調にならないとか。

仁王立ち
邪鬼ふんじゃった
パラパラと
阿吽の呼吸
踊り念仏 宿仮

仁王様が阿吽の呼吸でパラパラ踊りをする歌。町田康に合わせてみた。

2023歌集歌書展望 ユキノ進

永井亘『空間における殺人の再現』

およそ歌集じゃないようなタイトルで興味を持った。

メリーゴーランドは破綻した馬を雇い不自然だがどこか微笑ましい
まだ星のことを考えているのなら乗馬の素晴らしさを聞いてください
離陸すれば身体が消える剥製のように穏やかな星までは

現代詩のような短歌だという。短歌でここまで詠めるのはいいと思う。殺人の短歌はないけど。「剥製のように」がそういうことなのか?

『昭和遠近短歌でたどる戦後の昭和』(島田修三)も読んでみたいタイトルだ。

2023歌集歌書展望 長谷川と茂吉

歌名がふざけた名前だと思うが歌人ではこういう人が多いのだろうか?

吉田隼人『霊体の蝶』

文学者のパロディ的な短歌なのか興味深い。ダンテ『神曲』に模したような歌のようだ。。

霊魂 プシケエと称ばれてあをき鱗粉の蝶ただよへり世界の涯の
鐘楼をからすは発てり荘厳の入場の秋を眼にやどしつつ
頓服に渇くばかりのたましひの廃墟を訪はば星ひとつなく

南田偵一『文壇バー風紋青春期 何歳からでも読める太宰治

2023歌集歌書展望 林和清

土井礼一郎『義弟全史』「義弟とはだれなんだろうか」の帯からも謎の歌集だ。

弟と義弟のともにいる部屋でわたしは義弟の名を忘却す

2023歌集歌書展望 駒田晶子

大野道夫『つぶやく現代の短歌史』俵万智から始まる現代口語短歌史みたいだ。

「数の歌」

観覧車回れよ想ひ出は君には 一日 ひとひ我には 一生ひとよ  栗木京子

『水惑星』

俵万智の歌に次いで最高点を取った短歌。下の句の 一日 ひとひ 一生ひとよ の対句表現とルビか。「ひ」と「よ」の落差。

人生はただ一冊の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ 寺山修司

『テーブルの荒野』

カレンダーの歌は決まるな。上の句と下の句は関係ないのだけど、「一」と「二」ということだけでこれだけインパクトある歌が出来るのか?「かもめ」が絶妙なんだろうな。「二月のかもめ」はよくわからんが入り乱れて飛んでいる感じか?

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智

短歌に興味ないときからこの歌は知っていてインパクトが強かったが。「サラダ記念日」は覚えていたが月日は覚えてなかった。まあ覚えられない月日だから二人に取って特別だったのだろう。でも「サラダ記念日」とは?

不来方 こずかたのお城の草に寝ころびて
空に吸われし
十五の心  石川啄木

『一粒の砂』

この歌も人気が高いな。それほど気にとめてなかったが、確かに十五のなんとなく浮遊感がある。

その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな 与謝野晶子

『みだれ髪』

これもいい。初句切れの見事さか。でも「はたち」じゃなく「にじゅう」と読んだほうがいいと思うのだが「はたち」だった。「はたち」なら歳まで書かないとだめじゃないのか?ルビ振れよ。「歳」を入れないのは「櫛」が歳と見間違えるからか。

一日が過ぎれば一日減つてゆくきみとの時間 もうすぐ夏至だ 永田和宏

『夏・二〇一〇』

この歌も好きだったよな。後年永田和宏よりも奥さんの方が嫌いになったが。

十二色のいろえんぴつしかないぼくに五十五色のゆふぐれが来る 萩原裕幸

『世紀末くん!』

この歌は今知ったのだがいいと思った。

一番加速電車が通過します理解できない人は下がって 中澤系

『uta 001.txt』

これも上手いな。この人の歌集は読んでみたいかも。

たはむれに母を背負ひて
そのあまり軽さに泣きて
三歩あゆまず  石川啄木

『一握の砂』

やっぱ啄木好きだな。歌集買いたいぐらい。昔持っていたんだけどな。

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