見出し画像

これは見るべき映画だ

『無聲 The Silent Forest』(2020/台湾)監督コー・チェンニエン 主演リウ・ツーチュアン/チェン・イェンフェイ/キム・ヒョンビン/リウ・グァンティン

解説/あらすじ
台湾のろう唖学校で実際に起こった性暴力事件を抹消面から描き、アジア各国の映画祭で話題となった社会派ドラマ。聴覚障害をもつ少年チャンはろう唖学校に転校し、学校の設立100周年パーティーで見かけた少女ベイベイに心ひかれる。後日、スクールバスに乗っていたチャンは、バスの一番奥の席でベイベイが複数の男子生徒から性暴力を受けているところを目撃してしまう。ショックを受けるチャンに、主犯格の少年シャオは、その性暴力が「ゲーム」であると語るが…。

今年一番の作品かな。聾唖学校の性的イジメ問題なんだが学校が村社会のようになってしまって、性的いたずらは通過儀礼のようになってしまっている。聾唖者故に普通の学校には怖くて行けない。学校は居心地がいい反面そういうイジメが横行している。

これは村社会と同じ構造なのだと思った。1人の力がある生徒が神のような存在で学校を支配している。ただその奥にその生徒も教師から性的いたずらを受けていて、強い者から弱い物への階層社会なのだ。性的イタズラが力が在る者にとってはゲーム(遊び)になっている。それが学校の掟みたいなもの。

校長先生がまったくそういうところに目が行かないのが駄目なのだが生徒のほうもそれが当たり前の生活になってくる。つまり虐げられた生活が通常生活になってくるのだ。そして少女は神(八百万の神のような)を見ることで救われると感じる。ほとんど自己保存の法則。

一番いいのは外の世界に出ることなんだが聾唖者というハンデが臆病にさせている。出口ないの状態。これは実際にあった話だという。聾唖者でなくともイスラムの掟で奴隷のように扱われる女性とかいる世界と同じ構造だと思う。映画界でもこういうセクハラ・パワハラ問題がある。

野蛮ということなんだが、なかなかこういう問題は解決するのは難しいと感じてしまう。聾唖学校の問題とか閉じられた世界になってしまうのだ。要は力ある者がすべての支配者でそれに従属した関係で成り立っている社会。そういう支配体制を糞だと思わなきゃいけないのだ。ただ糞のような村社会が多いのも事実だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?