パリは燃えている、日本も燃えていた
高木元輝,加古隆『パリ日本館コンサート』(1974. 4/26 パリ日本館 LIVE/ 1973. 11/10 イイノ・ホール)
高木元輝(reed)、加古隆(pf)、ケント・カーター(b)、ロン・ピットナー(perc)
「映像の世紀」の特集をやっていますので、今日はその音楽プロデュサーの加古隆です。「映像の世紀」に至るまでの過去の加古隆でパリでフリージャズに燃えていた時代のコンサートを収めています。後の「反射組曲」は渡仏前の演奏で日本で燃えていた演奏ですね。
加古隆はジャズ畑の人というよりはクラシックから現代音楽を学んで(オリヴィエ・メシアンに師事)その延長線上にジャズの即興演奏に惹かれたようです。武満徹の例もある通り(前述のジョージ・ラッセル参照)、ジャズはヨーロッパでも最新の音楽モードとして注目されたのです(ジャズが最初にフランスに入ってきたのは第一次世界大戦で黒人部隊のジャズ楽団がパリの人々を虜にしたようです「映像の世紀」)
ここでは高木元輝との双頭カルテット。高木元輝は日本のフリー・ジャズ界での知られざる巨匠ですね。演奏を聴いて貰えばわかるようにどことなく日本の情緒を感じさせます。そんな土着的な響きが、パリジェンヌたちに受け入れたられたのか、その点加古隆のピアノは後の「映像の世紀」に繋がるようなメロディアスな響きをしてます。
ドラムはちょっと無名の人ですけどベースのケント・カーターも数々のアメリカのフリージャズマンと共演している当時のパリでは一番名がしられていたかもしれません。ちゃっかりソロで存在感をしめしています。
(ジャズ再入門vol.87)