彼等はけっして日本人だとは言わない
『ワタシタチハニンゲンダ!』(2022/日本)監督:髙賛侑
多くの日本人が外国人差別に無関心である。それが今の様々な日本における難民問題を引き起こしている。
過去に韓国併合によって韓国人(朝鮮人)に対して行った皇国教育の反省がなされていないので外国人に対しての排除的なものが存在するのか?
在日韓国人(朝鮮人)に対する差別は今でもなくならない。大阪の生野区では、他にベトナムやフィリピンから多数の外国人が住んでいるという。それは日本が低賃金の外国人労働者を求めたからだ。不景気になると彼等はいらなくなる。あるいは奴隷労働に耐えられなく逃亡する。
黒人奴隷の話ではなかった。そういう実態に無関心でいることが入管の非人道的な扱いを肯定してしまうことになる。それは海外から日本がどう見られているか。ロシアがウクライナに侵攻するニュースが世界的になれば注目する。しかしミャンマーのクーデターは関心がない。
強制排除には日本の平和を乱されたくないという気持ちがあるのだろう。問題回避の思考パターンで日本は世界からもおかしな国と見られるだろう。日本に難民申請しているのに多くの人が死んでいる現状。それをこの映画は教えてくれる。彼等は人権無視の国と思っているのだ。
祖国が平和なら一日も日本にはいたくないと彼等はいう。建前だけのおもてなしの国。金を落としてくれる観光客は歓迎ということなんだろうが。こうした差別が明らかになると誰も住みたいとは思わないだろう。人権意識の低さは、独裁政治を生み出していてく。外国人排除問題から見えてくる様々な排除構造を考える必要があるだろう。それは日本人に対してもふるいわけが行われる前兆でもあるのだ。いや、実際いまの社会はそれを行っているのではないのか?