パーカーをかけると鳥が囀る
"Charlie Parker With Strings: The Master Takes"
昨日アート・ペッパーのストリングスを紹介しながら、まだチャーリー・パーカーを紹介してないことに気が付いてしまいました。他にもビックネームで紹介してない人はいますけどパーカーは忘れてはいけない。でもパーカーのアルバムを選ぶのは難しいのです。全盛期のは編集盤で同じ曲のテイクで何度も聞かされる。アルバムとしてトータルとしてみた場合やはりこれが聴きやすいのかなと。他にないことはないけど、録音も比較的いいので。
ストリングスは当時の著名な人ばかりなそうですが(アマゾンレビュー情報)、いかせんアレンジが古臭く聞こえてしまう。やっぱギル・エヴァンスとかのアレンジで聴きたかったですよね。パーカーも全盛期を過ぎて、当日は酩酊状態だったとか。それでもサックスを持てばこの通りなんで、その情報もパーカー神話の1つかもしれないです。「サマータイム」の伸びやかなアルトの演奏はオペラで歌っているようです。
ゆったりとした「時さえ忘れて」。こういうスローなテンポで朗々歌い上げるパーカーはビ・バップで快速パーカーを聴くのもいいですが、最初にパーカーのアルト・サックスの美しい音色に触れておくのも悪くないと思います。
続く「イフ・アイ・シュッド・ルース・ユー」もおしゃれなラブ・ソングになっています。このストリングは昔の映画を見るようで悪くないのかもしれないと思ってしまうほどです。まあ、パーカーのアルトあってのストリングスなのでしょうけど(主役はあくまでもパーカーなんで)。
このアルバムは他にスタンダードが詰まっていますからジャズ・スタンダードを勉強するにもいいかも知れません。凝ったアレンジはしてないので、素直に聴けます。それに何よりジャケットの鳥の絵が最高です。飾って置きたいぐらいに。
(ジャズ再入門vol.29)