クリフォード・ブラウンを聴く
今週の「ジャズ・トゥナイト」はクリフォード・ブラウン特集でした。わずか25歳でなくなり5年も満たない音楽人生で強烈な印象を残したブラウニー。天性ならではの突き抜けたトランペットは誰からも好かれたジャズマンだったような。
まずクリフォード・ブラウンのアルバムで最初によく聞いたのが『スタディ・イン・ブラウン』。新入生の希望と不安に満ちた世界をアルバムで表現している。奔放なスタンダーだけではない、青春時代の内面が伺える「ジョージのジレンマ」のリリシズム。
ドラマーではマックス・ローチとの双頭コンビアルバムも多いのだが、御大ブレイキーとも重要アルバムに参加。このへんが新日でも全日でもプレイできるオールラウンダーだったのかもしれない(喩えがわかりにくいか)。
アート・ブレイキー『バードランドの夜』はクリフォード・ブラウンの誕生の瞬間であり、ハードバップの可能性を示してくれたアルバムである。このアルバムのあとにメッセンジャーズが誕生して、日本にもハードバップをとどけてくれるのであった。メッセンジャーズの中心メンバーであるベニー・ゴルソン作曲の「アイ・リメンバー・クリフォード」はそんなブラウニーに捧げられた名曲。
そして、なによりクリフォード・ブラウンの歌姫三部作。アレンジャーのクインシー・ジョーンズの魅せ方もあるがブラウニーのバックでも凄かった。
クリフォード・ブラウンが好きすぎて、マイルスのようなひねくれ者は好きになれなかったのかもしれない。マイルスがいてブラウニーがいたのがジャズの面白さだとは思うが。ロリンズとの掛け合いのブラウニーの勇姿を耳に焼き付けて置きたい。