ゴダールの音楽鑑賞会(追加ゴダール映画祭)
〈追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭〉
1963年ブリジッド・バルドー主演『軽蔑』(ホメロスの世界を描く)を1982年にポーランド制作チームが再現(ドラクロアやゴヤの絵画の世界)しようとする映画のための映画というようなメタフィクション的作品。『軽蔑』は地中海の陽光溢れる太陽の元だったが、こちらは冬でスタジオ撮影。最新スタジオで映像美は堪能できるのだが、監督は自然光には敵わないと不満たらたら。
ポーランドということもあり、連帯でフランスの工場労働者を役者として使うことになるが、いろいろトラブルが。映画作りの裏側を見せる映画か。監督の前で体操選手のように柔軟なスタイルを見せるウェートレスとかスタッフの不倫関係とかトラブルばかりに見舞われて、撮影は進まない。
オープニングの飛行機雲を撮るシーンだけでも映像美が感じられるのだ。スタジオ撮影もかなり凝った作りで絵を再現している。
ドラクロアやゴヤの絵そのものが映画になったような映像美にクラシック音楽の臨場感。ゴダール・ファンかそうでないか試される映画かな。途中かなり眠くなってしまったが。
イザベル・ユペールが出ていたのはあとから気づいた。若い。フランスの大女優だけどゴダールと共演していたとは知らなかった。美人というのではないが存在感のある役どころだった。
こちらも映画内映画のメタ・フィクション。ゴダールの孫娘?が「カルメン」を翻案した映画を撮るから別荘を貸せという。そこで主演の男とカルメン的行為をして、ゴダールの過去の映画をなぞるような、ゴダール・ファンか試されているような映画だった。家で観たら爆睡していたな。この映画も映像と音楽がいい。ベートヴェンの弦楽四重奏曲が繰り返し出てくる。そうだ、ゴダールの映画観てベートヴェンが好きになったのだ。最後にトム・ウェイツがかかるという。後でプレイリスト作ろうかな。
『ゴダールのマリア』
『ゴダールの探偵』