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菜葉菜がいい人系のオムニバス映画4話。

『ワタシの中の彼女』(2022年/日本)【監督】中村真夕【キャスト】菜葉菜,占部房子,草野康太,好井まさお,浅田美代子,上村侑

大きく変わってしまった日常。
孤独や不安を抱えながらも、
ひとすじの光を求めて生きる4人の女たちを一人の女優・菜葉菜が演じる。

菜葉菜にスポットを当てた4話オムニバス映画。贅沢を言えば、一人の監督ではなく違った監督で別の演出を観たかったような。なんとなく役柄は似たような感じを受ける(いい人系、悪女とか観たい)。コロナ禍の世界でというようなテーマ。全体的にいい話にしようとする結末が物足りなさを感じてしまう。

第一話「4人のあいだで」

別々の公園で三人のスマホを使った飲み会。コロナ禍でのリモート飲み会だが公園でというのがミソか?映像はなくて電話の音声だけの飲み会なので相手の姿は見えない。見えないことで三人の関係性の中に微妙な温度差があり、そこにいないもう一人の女優になった女子の話題の噂話。いろいろな恋愛関係の中でドラマチックに変わっていく彼女の命運が物語の核になるのだ。いないことで噂され彼女の人となりを想像させる。これは映画よりラジオドラマ向きだな。ラストの月を眺めて乾杯のシーンは、ありそうで良かった。

第二話「ワタシを見ている誰か」

ホラー風な二人の役者によるドラマ。コント風なのかな。フードデリバリーの兄ちゃんを家に上げて食事をするというのはありえないと思うが、その展開が強引すぎるか?まして男がストーカーまがいの行為をしているのだから。でも最後はいい雰囲気になるのかよ、というなんか結末が良くわからなかった。食べ物に釣られると女は弱いのか?あの展開だとラストはアットホーム的じゃない方が自然かな。殺人事件になるとか。

第三話「ゴーストさん」

この話が一番良かった。『夜明けまでバス停で』と同じホームレスの女性が殺された事件をショートストーリーにした映画。浅田美代子のゴーストさんが良かった。先日も何かの映画で浅田美代子がちょい役で出ていたのだが印象的だった。昔は可愛いだけのアイドルだと思っていたのに。「かもめ」のニーナのセリフを二人で言うシーンが物語的にはいい感じだった。菜葉菜のキャバ嬢?はゴーストさんの運命と重なるのだが。違うホームレスの女性を自分自身と見てしまうところなどはホラーなんだが、そこで終わっても良かったかな。

第四話「だましてください、やさしいことばで」

これも「オレオレ詐欺」をドラマ化したものだが、ラストが癒やし系でちょっと違うのでは思ってしまった。桃井かおりが騙され役をやった奴が印象深いのだ(NHKスペシャルドラマ『詐欺の子』)。騙されていると思っても孤独な人はそれでも青年を許してしまう。そこが似ているのだが視覚障害の女性だったのが無理すぎたかな?

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