『斎藤茂吉の百首』大島 史洋 (歌人入門)
ふらんす堂の「歌人入門」シリーズは、『石川啄木の百首』がわかりやすかったので、わかりにくい斎藤茂吉も読んでみようと思った。その前に中野重治『斎藤茂吉ノート』を少し読んだけどど難しすぎたので、一首解説のこのような本の方が初心者には優しい。
だからと言って斎藤茂吉の短歌が優しいわけではなく、動物虐待はするし、大和魂とか言いそうだし、男尊女卑な短歌が見受けられる。なんでそんなに崇められるのかというのが正直な感想だ。ただ斎藤茂吉はなんでも短歌に詠んでいたようで、そのスタイルは真似てもいいのかも。あと感情が激しいので、それだから短歌を作ることで冷静だったのか?、その感情を詠み込むのも面白い発見だった。母を看取る短歌とかは精神科医の冷静さとマザコンじみた行為とがある感じである。