ベニー・ゴルソンを聴け!
ベニー・ゴルソンが今月の21日に亡くなったというニュース。ジャズ・ミュージシャンの大御所は今まで生きていたのが奇跡だというぐらいの95歳の大往生だったらしい。すでに数々の名盤で共演していたミュージシャンたちがとうにあの世に逝ってしまったので一人残されるとはどういう気持ちなんだろう。そう言えばゴルソンの名曲と言えば亡きクリフォード・ブラウンを追悼した「アイ・リメンバー・クリフォード」だ。
これほどの追悼曲をゴルソンのために作曲できるものがいるだろうか?いるだろうけど、このインパクトはクリフォード・ブラウンが短命だった(突然の自動車事故)こともあるが、当時売出中のリー・モーガンというクリフォード・ブラウンの再来かと言われたトランペッターが主役でゴルソンは脇役のハーモニーに徹している。さらにこのライブ演奏にあるように、当時のジャズ・メッセンジャーズである。日本では出前持ちが「モーニン」を口ずさんだ(今だとウーバーがイアフォンで聴きながか?)と言われるほどの超メジャー・グループだったのだ。ジャズ・メッセンジャーズの来日公演のときはすでにゴルソンからウェイン・ショーターに代わっており、メッセンジャーズでもショーターのアルバムの方が好きだと言う人もあるが自分はゴルソン・ハーモーニーの温かさと周りのミュージシャンの熱気ある演奏を取る。特にパリでのライブ盤はゴルソンだけではなく、メッセンジャーズの個性が良くでている傑作だと思う。
このアルバムは熱がありすぎて無理だという人には、ゴルソン・ハーモニーの名盤と言われるカーティス・フラーの『ブルースエット』。このメンバーも最高である。ピアノがサイドマンとして定評のあるトミ・フラ。ベースがコルトレーン・カルテットジミー・ギャリソンで、ドラムのチャーリー・パーシップは数々のビッグ・ネイムと共演したきたドラマーでサウンドに変化を与える。そしてゴルソンとトロンボーンのフラーの二管のハーモニー。そこにアート・ファーマーが加わってジャズテットというユニットでも名盤があるがとりあえず、これを聴け!
最後にゴルソンのワンホーンの一枚。フリー・ジャズではない『フリー』はE・Tのようなジャケットが面白い。これもピアノはトミ・フラだった。ベースがマイルス・カルテットのロン・カーターで、ドラムがアート・テイラーと隙がない面々。その中で自由にブローするゴルソンのゴリゴリのテナー・サックスが魅力だ。
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