大器の風格なのにコルトレーンの後を追い
ソニー・ロリンズ『With The Modern Jazz Quartet [Explicit] 』
晩春に相応しいジャズはロリンズ。早春ならクリフォード・ブラウンや早世したジャズマン(特にトランペット)が相応しいように思うが晩春は遅れてきた大器というロリンズではないだろうか?
ロリンズというと『ヴィレッジヴァンガードの夜』でも寝起きのような「朝日のようにさわやかに」全然さわやかではない!
コルトレーンとライバル関係だとは言え、天才ロリンズと努力コルトレーンではジャズの密度が違う。どことなくスカスカな中におおらかさと大器の風貌を感じさせるのがロリンズ。ただロリンズですらコルトレーンを意識せざる得なかったジャズ界の流れがあったのだろう。インパルスに残した過激なロリンズとのほほんとしたそれまでのロリンズとの二面性もある。
吹っ切れたのは7年代のフュージョン・ブーム。その中でもロリンズのサックスはロリンズ。どんなにジャズの形態がかわってもロリンズらしさがある。
コルトレーンのドキュメンタリーで我が道を行く、全身真っ赤な還暦(赤い悪魔か?)おじさんになっていたのもロリンズらしさ。生きるが勝ちっていうことさ。
晩春やロリンズ節のおらが春