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ゴダール好きは映画館でみよう

『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』(2022年製作/105分/PG12/フランス)監督:シリル・ルティ 出演マーシャ・メリル、 ティエリー・ジュス、 アラン・ベルガラ、 マリナ・ヴラディ、 ロマン・グーピル、 ダヴィッド・ファルー、 ジュリー・デルピー、 ダニエル・コーン=ベンディット、 ジェラール・マルタン、 ナタリー・バイ、 ハンナ・シグラ、 ドミニク・パイーニ ほか


ジャン=リュック・ゴダールの謎に包まれた作家人生にスポットをあてたドキュメンタリー。

ヌーベルバーグの旗手として時代を熱狂させた1960年代、68年の五月革命をターニングポイントとする政治の季節、70年代の内省と再生、そして劇的な復活を果たした80年代と、ゴダールの功績を網羅的に紹介。さらに家族や友人、アンナ・カリーナら元パートナーたちの証言、マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイら出演女優や関係者への新たなインタビューなどを織り交ぜながら、その知られざる素顔に迫る。

監督は、ドキュメンタリー作品の編集を多く手がけてきたシリル・ルティ。ゴダールが他界する直前となる2022年・第79回ベネチア国際映画祭「ベネチア・クラシック・ドキュメンタリー部門」で上映された。

ゴダールの威光もすでに過去のものなのか映画館に3人ぐらいしかいなかった(寂しいかぎり)。まあ、ゴダールの監督の映画でもないし、ゴダールの映画人生を辿ったドキュメンタリーならTVでそのうちやるだろうという感じだったのか。自分も今日は別の映画を見る予定だったのだが出遅れて夕方のこの映画になったわけだった。

しかし、映画はゴダールの衝撃的なデビュー作『勝手にしやがれ』から晩年の大傑作『映画史』まで、関係者(噂になった女優とか)のインタビューを折り込みながら解説していく。フランスの60年代はゴダールの映画と共にあり、ヌーヴェル・ヴァーグはゴダールのことなんだというようなドキュメンタリーだった。その中で本人は集団よりは孤独癖でむしろ、映画がコミュニケーションの手段だったとか。

それぞれの女優のインタビューも面白かった。アンナ・カリーナは映画のミューズとして、アンヌ・ヴィアゼムスキーはゴダールが最近の学生の気持ちを知りたいと仲良くなったので教師と学生というような関係で、アンヌ=マリー・ミエヴィルは同志的というか、映画スタッフでもなかなか打ち解けない性格だったという。だから独りでやる編集作業の方が好きだったのかもしれないな。デュラスとの対話では弟みたいに扱われていたけど。

面白い話としては俳優が喋る哲学的話とかはイヤフォンでゴダールが話すのを聞いて喋っていたとか。だからゴダールの声が始終頭の中に響いているようでおかしくなりそうだったと。

ゴダールというと文学的引用と斬新な映像だった。それだけで満足なんだが。インタビューが多いのでそこは眠くなるところもあったかな。

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