ゲッツと言った人は消えたけどこれは永遠の名盤
STAN GETZ & JOAO GILBERTO"Getz/Gilberto (Expanded Edition)"( Verve/ 1964年)
ボサ・ノヴァ・ブームを世界中に巻き起こした大名盤。
全米アルバム・チャート2位を記録し、収録曲「イパネマの娘」も全米シングル5位。そして、グラミー賞ではアルバムが2部門(最優秀アルバム賞/最優秀エンジニア賞)を受賞し、「イパネマの娘」が最優秀レコード賞を受賞。
スタン・ゲッツ - テナー・サックス
ジョアン・ジルベルト - ギター、ボーカル
アントニオ・カルロス・ジョビン - ピアノ
セバスチャン・ネト(ポルトガル語版) - ベース - オリジナル盤を含む一部のリリースでは、誤ってトミー・ウィリアムス(英語版)がクレジットされている[7]。
ミルトン・バナナ(英語版) - ドラムス、パンデイロ
アストラッド・ジルベルト - ボーカル (01, 05)
01. イパネマの娘 / The Girl From Ipanema
02. ドラリセ / Doralice
03. プラ・マシュカー・メウ・コラソン / P'Ra Machucar Meu Coracao (To Hurt My Heart)
04. デサフィナード / Desafinado
05. コルコヴァード / Corcovado
06. ソ・ダンソ・サンバ / Só Danço Samba
07. オ・グランジ・アモール / O Grande Amor
08. ヴィヴォ・ソニャンド / Vivo Sonhando
オープニングを飾るのは、最も有名なボサノヴァ曲「イパネマの娘」。原詞ポルトガル語で歌うのはジョアン、続いて英詞を歌うのはジョアンの妻、アストラット・ジルベルトだ。アストラットはこれが歌手デビューではあったが、技巧を感じさせないクールな歌唱で人気者となる。ほかにもボサノヴァ・スタンダードが多く演奏されるが、クールなサウンドにゲッツのサックスが見事にはまる。アルバムは大ヒットし、グラミー賞も獲得したが、賞よりなによりも、ボサノヴァを全世界に広めた本盤の功績は計りがたい
ボサノバ・ジャズと言えばすぐ思い出すのがこのアルバムですけど、スタイン・ゲッツとジョアン・ジルベルトは仲が悪かったとか。どちらも第一人者を自認していたのですかね、そういうことは大いに有り得るのですが、結果としては悪くない大ヒットアルバムが生まれたわけです。でも、「イパネマの娘」で一番印象的なのは、アストラッド・ジルベルトでなんで全曲歌ってないのだ、と思ったものです。
喧嘩の理由は、そのアストラッドにあったのですね。飛び入り参加だからギャラを払うなとゲッツが言ったとか、肝っ玉の小さい男ですね。誰が聴いても一曲目のアストラッドの声にやられたと思うのに。まあ、ゲッツもそこそこいいけど。何回も聴いているとジョアンのギターと声が病みつきになります。
(ジャズ再入門vol.58)