あの頃聴いていたジャズ
"Last Year's Waltz"Steve Kuhn(ECM-1981)
Steve Kuhn(P),Sheila Jordan(Voice), Harvie Swartz(B), Bob Moses(Ds)
スティーブ・キューンは日本でも人気のピアニストですが、イージーリスニング的なスタンダード集が多く、何故かこのアルバムはCDでは発売されなかったのです。当時ジャズ喫茶ではリクエストの多い人気版だったのは、ライブ演奏のアットホーム的な雰囲気とシーラ・ジョーダンの変わったヴォーカルが売りで、ちょっとピアニストのスティーブ・キューンとはイメージが違うかも知れません。
シーラ・ジョーダンは『Portrait of Sheila Jordan』でボビー・ティモンズ「ダット・デア」をスキャットで歌ってしまったり、なかなか凄い歌手なんですけど日本ではいまいち人気はないのです。癖が強すぎるのかな。甘ったるい歌手ではないから。
でも一番はベースのHarvie Swartzが作曲した「メキシコ」ですかね。これはシーラ・ジョーダンのヴォーカルはなし。でも凄い熱気でスティーブ・キューンがこれほど熱いピアノを弾くのは珍しいのです。観客も盛り上がって声を上げています。ライブ演奏ならでは盛り上がりで、このアルバムがかかるとジャズ喫茶も一体感に包まれたのでした。
"Mexico"はYou Tubeではライブ音源しかなかった(他のライブです。音が悪いです)
(ジャズ再入門vol.70)
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