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シン・現代詩レッスン51

ボードレール「踊る蛇」

昨日(8/30)もボードレールを使いながら修羅雪姫をやったのだが、ボードレールにはさらに修羅雪姫にピッタリな「踊る蛇」という詩があることを知った。これはボードレールがジャンヌ・デュヴァルと性行為するのに、ジャンヌにいかがわしい踊りをさせるのだった。蛇のように腰をくねらせて男を誘うポーズというような。通常の彼女が好きな民謡調の踊りではない。


「踊る蛇」はゲンズブールやレオ・フェレがシャンソンで歌われているのだがいかにも白人の歌で雰囲気的に違う感じがした。ブイカはスペイン生まれのフランス領ギアナの歌手。

凄い土地だな。ブイカの歌の重さが伝わってくる

踊る蛇

ぼくの目が好んで見るのは、もの憂げな恋人よ
  きみのかくも美しき身体が、
揺らめく布地さながらに
  その肌をきら めかすさま!

ふかぶかとしたきみの髪のうえで
  鼻を刺す匂いに、
青い波、褐色の波にのり
   かぐわしく、さすらう海のうえで、

ボードレール『踊る蛇』くぼたのぞみ訳

蛇の踊りはストリップのようなものか?男の欲望をかきたてる性的なダンスで、このダンスには腕や脚には宝石類をじゃらじゃらかき鳴らすようだ。コレットでそんな作品があったような。


修羅雪姫(つづき)

二つに裂かれた快楽の舌は男と獲物を喜ばす
  あなたのために舌を這わせる白雪
隠された毒牙は男の肩にしなでかかり寝首を伺う
  あなたのための毒牙はゆっくり修羅雪

黒々とした髪は首にまとわりつきあなたの息を止める
  鼻腔にクロロフォルムの白い布
白い柔肌はどこまでも冷たく絡みつく
  直に熱いキスがご褒美と首筋に毒牙の跡

やどかりの詩

(略)
轟く氷河の溶解に
  水かさを増す川のように
きみの口の水が、並ぶ歯のへりから
  あふれ出るとき、

ぼくが感じ取るのは、苦しくも勝ち誇る
  ボヘミアの葡萄酒を飲む心地、
ぼくの心に星また星をちちばめる
  液状の空を飲む心地!

ボードレール『踊る蛇』くぼたのぞみ訳

ボードレールから見たジャンヌ・デュヴァルの横たわる姿だろう。そこにセックスの快感が潜んでいるのだが、どこかジャンヌ・デュヴァルの瞳に映るボードレールは空ろで、死を望んでいるものの姿のように思える。

オン・ザ・ロックの氷を身体に這わせる
  あなたはすでに死者なのだから
あたたの柔らかすぎる皮膚を噛む
  わたしの口からあふれ出る血

あなたが感じる獲物としての諦念
  捧げ物としては立派な態度
あたたの虚空の瞳に白い蛇
  わたしの口から温かい血

やどかりの詩

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