ハナモゲラ黒人霊歌赤とんぼ
山下洋輔トリオ 『モントルー・アフターグロウ』(1976)
Yosuke Yamashita - Piano
Akira Sakata - Alto Saxophone
Shota Koyama - Drums
0:00 Ghost
21:25 Banslikana
今週の「ジャズ・トゥナイト」の聴き逃しを聴いていたら坂田明のジャズが流れてきた。坂田明のサックスはめちゃくちゃなようでいて、日本的抒情歌のメロディーを浮かび上がらせる。それで、やはり今日は立秋ということもあって坂田明の「赤とんぼ」を聴きたくなったのだ。
このアルバム以前は気がつかなかったが、70年代の送り火的なアルバムだったのだと気づいた。それはアイラーたちが輝いていたフリー・ジャズの季節に捧げられている。
afterglowは、「日没後、空に時々見られる真っ赤な輝き」とある。つまり夕焼け。そして、「ゴースト」は黒人霊歌をもとにアイラーが作曲した曲である。つまりモンタレーのジャズ祭りは盆送りのフェスティバルだったのである。
そして「ゴースト」から「赤とんぼ」の旋律の見事さ。まさに立秋の風景そのものである。そして「ゴースト」の送り火として、坂田明のハナモゲラ語は、アイラーの『ラブ・クライ』に呼応しているのである。なんという見事な展開だろうか?
そして「Banslikana」はインドで音楽の女神という意味なのだそうだ。インドの旋律「ラーガ」は、フリー・ジャズでもコルトレーンらのフリージャズに取り入れられている。山下洋輔はそのエンヤ・レーベルからソロ・ピアノでも出していた。
山下洋介『BANSLIKANA (Remaster) 』 https://music.amazon.co.jp/albums/B08K8Q4QMT?ref=dm_sh_7bdb-dae7-35f6-603d-473eb #AmazonMusic
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