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まだ雛鳥なのか?

『郊外の鳥たち』(2018年/中国)監督・脚本:チウ・ション(仇晟) 出演:メイソン・リー、ホアン・ルー、ゴン・ズーハン、ドン・ジン

解説/あらすじ
地盤沈下が進み≪鬼城≫と化した中国地方都市の地質調査に訪れた青年ハオは、廃校となった小学高の机の中から、自分と同じ名前の男の子の日記を見つける。そこに記録されていたのは、開発進む都市の中で生き生きと日常を謳歌する子どもたちの姿だった。それは果たしてハオの過去の物語なのか、未来への預言なのか―。やがて子供たちは、ひとり、またひとりと姿を消していく。

coco映画レビュアー

「“スタンド・バイ・ミー” meetsカフカの“城”」というチラシの宣伝文句に惹かれて観に行った。これは上手いこと言うなと思った。確かに少年時代のセンチメンタリズムとカフカの不条理世界の融合なのだが、もう一つインパクトが欲しかったような映画である。

少年時代の思い出は誰もが美しく描きたいものなのだ。そこは成功しているかな。素人の子供たちを使ったというのもいい(子役だから)。ただ『スタンド・バイ・ミー』よりはあまりストーリーがない感じで断片的に見せる少年・少女たちの姿が好印象な映画。それとリンクして測量士が都市開発(再開発)という中で破壊されていく住宅(団地か?)や森の自然の中で青い鳥を見つけるというようなストーリー。

大人になってからの物語がもう少しストーリー性があったら良かったと思う。再開発ドラマは中国ではよくあるパターンだし、いままで優れた映画も見てきているので、そういう映画に比べるとインパクトが弱い感じだ。自主映画ぽっさなのかな、商業映画的なエンタメ感に欠けているような。

そうかと言って映像的にいいとか最初のシーンだけは面白かったが、全体的に作家の個性がまだ見えていない感じがした。これからの映像作家なのだろうが。ビー・ガンとかフー・ボーまでは行ってないと思う。そこは褒めすぎな気がする。

エンディング曲がニューミュージック的で、その歌の世界を広げたような映画だった(プロモーションビデオのような)。

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