デヴィッド・サンボーン特集
デヴィッド・サンボーンが亡くなって「ウィークエンド・サンシャイン」では2週に渡って「ジャズ・トォナイト」でも特集があり、ちょっとデヴィッド・サンボーンばかり聴いているこの頃。それまではフュージョンだよなということもあってあまり積極的には聴いて来なかったのだ。ジャズ・ファンだと何よりもギル・エヴァンスの『プレイズ・ジミ・ヘンドリックス』でなによりも印象的なサックス・ソロを取っていたのだが、このアルバムはギル・エヴァンスとジミ・ヘンを共演させようとしたのだがその前にジミ・ヘンが死去したので急遽トリビュート・アルバムのようになっていた。ギル・エヴァンスが編曲したのは2曲であり(ボーナス・トラックの「リトル・ウィング」をいれて3曲)ギル・エヴァンスのアルバムよりはジミ・ヘン・トリビュート・アルバムのようになってしまったのは一曲目の「エンジェル」のデヴィッド・サンボーンのメロディアスなソロがジミ・ヘンの曲をよりポップに引き立ててしまったからだと思う。このアルバムがギル・エヴァンスよりもデヴィッド・サンボーンを聴くアルバムになっているのだ。
「ウィークエンド・サンシャイン」の第一週の特集はロック寄りで、ジャズはかけないのかもと思ったら二周目にギル・エヴァンスをかけていた。ピーター・バラカンがロック寄りの人だから、歌伴的なサンボーンばかりでおもしろかった。ブルース・ロック・バンドの「バターフィールド・ブルース・バンド」の『イン・マイ・オウン・ドリーム』は新たに興味を持った。
「ジャズ・トゥナイト」では一周目で『アナザー・ハンド』を紹介していてこのへんはNHKFMの深夜番組「クロスオーバーイレブン」で聴いていたかもしれないと思った。デヴィッド・サンボーンが「クロスオーバー」と呼ばれいたジャズとロックを融合したようなサウンドで後のフュージョンになっていくのだと思う。
デヴィッド・サンボーンのようなフュージョン・プレイヤーは軽く観られがちなのだが(正直軽く観ていた)、「ジャズ・トゥナイト」の大友良英さんの解説は良かった。デヴィッド・サンボーンのサウンドはコルトレーンのようなジャズの音を変えるような影響を与えたという。それは単にフュージョン・ミュージックというだけではなく、当時の新しいサウンドだったのだ。
この「ジャズ・トゥナイト」のデヴィッド・サンボーンの解説が良かった。さらにチャーリー・ヘイデンと共演した曲『ファースト・ソング』が良かった。こういうじっくり聴かせる曲がいい。