フリークスの世界はファンタジーか?
『フリーク・オルランド』(1981年製作/127分/西ドイツ)監督:ウルリケ・オッティンガー 出演:マグダレーナ・モンテツマ、デルフィーヌ・セイリグ、ジャッキー・レイナル、アルベルト・ハインス
ヴァージニア・ウルフの原作を読んでも良くわからず映画も見たけど理解不能で、この映画も最初から理解するのを諦めていた。それでもフリークスに対しての興味から。フリークスと言えば日本では見世物小屋と呼ばれて寺山修司のオドロオドロシイ世界でおなじみである。またピノキオなどの映画オタクのギレルモ・デル・トロもフリーク好きと見える。そういえばもっとも驚くべきフリークス映画ヘルツォーク『小人の饗宴』も見て度肝を抜かれた感じだった。
そんな影響下にあるのかウルリケ・オッティンガーは社会批評3割ぐらいで残りはファンタジーのカラフルな世界だった。ディズミニーの登場人物がフリークスになったぐらいの感じか。アトラクションとかしょぼいがフリークスだからそんな大仕掛けなセットもいらないだろう。
オルランドは両性具有のフリークスと言えばフリークス。彼女がフリーク・シティにやってきて双子の身体がくっついてしまっているフリークスに恋する。そして子供も生まれるのだが片方の女が僻みなのかアル中で手に負えなくなり殺してしまう。そうすると身体が繋がっているもう一方も死んでしまうという悲劇なのだが、これはショーみたいなものなのか。最後はみんなで踊ってとフリークシティの夜が明けて、一夜の夢の時間は終わりというようなストーリー。
要はファンタジーをフリークスが演じているのだが、その奇妙な世界に驚くやら華やかさは移動サーカスという世界なのだ。日本だと見世物小屋で暗澹たる感じなのに。ヨーロッパのフリークスたちは明るい大道芸人という感じがする。