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「ラウンド・ミッドナイト」のドルフィーの名演

George Russell"Ezz-Thetics"( Riverside/ 1961)

George Russell - piano, arranger
Don Ellis - trumpet
Dave Baker - trombone
Eric Dolphy - alto sax, bass clarinet
Steve Swallow - bass
Joe Hunt - drums

ジョージ・ラッセルは「リディアン・クロマティック・コンセプト」という理論を確立した人で、50年代にマイルスやギル・エヴァンスなんかと議論していくなかで、モード・ジャズの理論を説いてた。ジョージ・ラッセルから学んだビル・エヴァンスやジョン・コルトレーンがマイルスの元で理論を音楽化していく。『カインド・オブ・ブルー』の影の立役者みたいな感じです。

で、その「リディアン・クロマティック・コンセプト」は何?と聞かれてもよくわからないです。日本語に翻訳したのが武満徹だったということでも凄さがわかると思います。理論に頼ってジャズが出来るのか?と思っている人もこのアルバムは聴いたほうがいいです。ドルフィーの参加もあるけど各メンバーのソロが凄いキレキレです。

一曲目の「エズセティックス」がガツンとやられます。こんなカッコいい曲があったでしょうか?各メンバーのソロが凄いです。トロンボーンのデイブ・ベーカーは、このアルバムの翌年(1962年)にダウンビート誌新人賞ですから。惜しくもその後に筋肉疾病によりトロンボーンからチェロに転向。その後のドン・エリスのトランペットもいいけど、やはりドルフィーは凄すぎて格の違いを見せつけてくれます。

セロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」もドルフィーのために作られたのかと思うほどのドルフィーのアルト・サックスが存在感があります。

(ジャズ再入門vol.86)


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