アメリカからSARSの国へこんにちは
『アメリカから来た少女』(2021年/台湾)監督・脚本:ロアン・フォンイー 出演:カリーナ・ラム、カイザー・チュアン、ケイトリン・ファン、オードリー・リン
台湾の帰国子女の思春期映画。思春期映画はいろいろあるが、文化の違うアメリカから台湾というそれも学校は旧体制のようなまだ体罰が行われている学校だ。そんな少女が台湾に馴染めずアメリカに帰りたいと願う。
母と娘二人はアメリカで生活をしていたのだが夫は台湾で仕事をしていたために家族と離れていた。母は癌になって、台湾に戻りたいと思ったのだ。そんな母と娘の対立を上手く描いてはいる。父親の存在も確かに感じる映画だ。娘と妻の間に挟まれおろおろするのだが、癌である妻に最終的には傾いてしまうのかな。母の我儘というのでもないけど自分を押し通す正確は娘に遺伝したのだろう。
良かったのは親の弱さを描いている点。父親も最後は泣くのである。母も泣く。娘は両親に対しては泣かないが、馬に対して泣く。こういう映画は泣けるかがポイントだからな。この台湾の乗馬の馬を登場させたのが台湾で観客賞とかなんだろうな。馬は正直者という感じなのか?
少女を演じた娘が上手いのか、このぐらいの少女は演技以上に映画の中で成長していく姿がみられるのでポイント高いよな。母と父役の人もそれなりに上手かったし。
そうだSARSが背景にあったのだ。2003年だから、コロナ禍じゃないのでちょっと違和感があったけど台湾でSARSが広まったんだ。その教訓でコロナ禍は上手く対応できたとか。マスクとかちょっと違った。