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マッツ、怒りのアフガンか?

『ライダーズ・オブ・ジャスティス』(デンマーク/スウェーデン/フィンランド/2020)監督アナス・トマス・イェンセン 出演マッツ・ミケルセン/ニコライ・リー・コス/アンドレア・ハイク・ガデベルグ/ラース・ブリグマン/ニコラス・ブロ/グスタフ・リンド

解説/あらすじ
妻が列車事故で亡くなったという報せを受け、軍人のマークスはアフガニスタンの任務を離れ娘の元へ帰国する。悲しみに暮れる娘を前に無力感にさいなまれるマークスだったが、彼の元を二人の男が訪ねてくる。その中の一人、妻と同じ列車に乗っていたという数学者のオットーは、事故は”ライダーズ・オブ・ジャスティス”と言う犯罪組織が、殺人事件の重要な証人を暗殺するために周到に計画された事件だとマークスに告げる。怒りに打ち震えるマークスは妻の無念を晴らすため、オットーらの協力を得て復讐に身を投じてゆくが事態は思わぬ方向に…。

爽快なアクション映画を観たかったのだが、この映画は正解だった。復讐ものだが『ランボー怒りのアフガン』にならないところが北欧映画の良質性か。マッツ・ミケルセンもこの前観た映画ではアル中教師で、今回はアフガン帰りの復讐者を演じている。

列車テロで妻を亡くした帰還兵。娘は生き残ったのだが、母と一緒に事故に会ったために自分のせいだと追い詰めてしまう。娘の自転車が盗まれて学校に送っていく時に車が故障して、その日は学校を休みにして遊びに行った帰りに事故に会う。父娘ともセラピーが必要なのだが、父が拒否する。

父は軍人(強い人)だからそれを心の中に仕舞い込む。その時にその場にいたオタクが事故はテロだったと警察に届ける。警察は相手にされず、ネットで調べていく内に犯人はマフィアだと分かりオタク・コンビがマッツに言いにいく。「ライダーズ・オブ・ジャスティス」はその犯罪組織の名前。

それを聞いてオタクたちと出かけていって怪しい男に拳銃で脅され、かっとして過剰防衛で殺してしまう。ウクライナの性奴隷の青年がいるのだが、これは今の世相を表しているのかな。そのウクライナの青年がいう。

ウクライナの昔話にお姫様の指を食べた熊がいて、お姫様の指輪も一緒に食われた。数年して森で狩りに行って熊を殺したが腹の中に指輪はなかった。まあ、指輪も排泄物と一緒に出たとも考えられるが、この譬え話は復讐することの無意味さを言っている。

それでマフィアとオタク軍団の抗争になるのだが、娘には秘密にして、オタク軍団を新しく雇ったセラピーだ、みたいな話をする。アフガン帰りの帰還兵にセラピーが必要だったのだのだが、その「怒れる北欧のランボー」と娘のセラピーの話になっていく。ラストは出来すぎな映画だけど。

喜劇になっているのがいい。はみ出し軍団の面白さとマッツの怖さ。オタクのデブさんが銃器に詳しく銃の扱いには慣れていたが人を殺すことが出来なかった。マッツは容赦なく殺す。最初の1人を殺すのは誰でもそうだという。すでにマッツは殺人マシーンになっていた。

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