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ロイ・ヘインズ流れ星とのジャム・セッション

"Out of the Afternoon"Roy Haynes(impulse/1962年)

Roy Haynes (ds)
Roland Kirk (ts,str,mz)
Tommy Flanagan p)
Henry Grimes (b)
1.Moonray (06:41)
2.Fly Me to the Moon (06:40)
3.Raoul (06:01)
4.Snap Crackle (04:11)
5.If I Should Lose You (05:49)
6.Long Wharf (04:42)
7.Some Other Spring (03:29


活動歴は実に40年代から現代まで。シャープなプレイで周囲を盛り上げる名ドラマーのロイ・ヘインズが、60年代にインパルスへ残した代表的リーダー作。マルチ・リード奏者ローランド・カークの参加に注目。カークはサックス、フルート、ストリッチ、マンゼロなど多彩なホーンを駆使して(しばし同時に咥える)、ワン&オンリーなソロを展開。3拍子の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」がいい。フラナガンの好サポートも光る。 (C)RS

気持ちいいドラムのアルバム.........。ありました。誰も認める名盤でジャズ喫茶でもよくかかっていました。ネットで調べると次々にこのアルバムの記事が出て参りました。まあ、そういうことなんです。誰もが好きになってしまうアルバム、それだけで十分なんだけど..........。

一曲目の「ムーン・レイ」ですね。この曲でやられる方も多い。ローランド・カークですね。ここでは借りてきた猫みたいに大人しいですが、複数の楽器を同時に吹いていますね。彼が加われば、カルテットということはないですね。でもカルテットなのか?

そして、トミフラだった。「名盤にトミフラありき」のジャズの第一定理です。実は「名盤にロイ・ヘインズありき」もあるのじゃないかと思ってしまいます。サイドメンでも、チャーリー・パーカー、マイルス、セロニアス・モンク、そして、彼の名を一躍押し上げたのがコルトレーンとの「マイ・フェバレット・シングス」を演奏したライブ盤「セルフレスネス・フィーチャリング・マイ・フェイヴァリット・シングス」です。正カルテットのエルヴィン・ジョーンズよりいいと言われる人気盤です。まあ、ロイ・ヘインズだけがいいのでもないですけど。それと、カークのアルバム『ドミノ』で共演してます。その縁でここにカークが参加してようです。あと特筆すべきは、ドルフィーとの共演ですね。『アウトバウンド』と『ファー・クライ』と数少ないドルフィーのアルバムの正規盤です。その他にも以外な人とも共演していて、また探す楽しみが増えました。

話を「ムーン・レイ」に戻して最初の最初のドラムの始まりですね。それだけでロイ・ヘインズ好きになる。トミフラのピアノ続いて、ベースはポール・チェンバースだと思ったらヘンリー・グライムスでした。ポール・チェンバースとはもう一枚のロイ・ヘインズの名盤『ウィ・スリー』にフィニアス・ニューボーンとのピアノ・トリオの人気盤がありました。こっちのアルバムにしようかとも思いました(フィニアスが入っているから)が選曲の良さでこっちになりました。

「ムーン・レイ」も好きな曲でミリー・ヴァーノンのアルバムにも入っていますね。インストだけの名盤はやはりこのアルバムになるのではないのでしょうか?と思って検索したら、大友義雄カルテット『ムーン・レイ』が素晴らしい演奏です。それも今日初めてネットで知ったのですが。

「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

エヴァ好きにはお馴染みの曲ですけど、この曲はその前からジャズのスタンダードでした。もともとは三拍子だったのがボサノバが流行ったことで4拍子になって、宇多田ヒカルもボサノバ・ヴァージョンでしたね。ここでは元の三拍子ヴァージョンでやはりトミフラのソロがいいですね。軽いボサノバに慣れた耳には、ここでのカークやロイ・ヘインズはうるさいかもしれませんね。でもこれがジャズなんです。やっぱロイ・ヘインズのドラムは気持ちいい。決めるところ決めている感じです。

「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」

オリジナル曲が2曲続いて、「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」です。この曲はチャーリー・パーカー(『ストリングス』)の名演で有名でここでのカークはアルト・サックスかと思ったらストリッチのようです。チャーリー・パーカーを意識している演奏だと思います。この曲も名演が沢山あるけど、やっぱパーカーかカーク(じゃなかった)ロイ・ヘインズですね。まあ、このアルバムもカークの存在が大きいのですが。ロイ・ヘインズはメリハリの良さ、バックに回ったときは出しゃばらずに自分が出るときは思いっ切って出しゃばる(なんかへんな言い方ですが)、だからスタンダードでも名演が多いのだろうと思います。

(ジャズ再入門vol.62)

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