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アラン・ドロンを夢見る気分で
金子由香利『巴里に謳う』(日本/1999)
トリオ=ケンウッド・レーベルに残る音源と、生録音したパリの街角の音を交互に収録した企画アルバム。「愛の讃歌」「すみれの花咲く頃」「バラ色の人生」他、全12曲。
昨日(12/29)が「シャンソンの日」なんですが、その理由が「銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」が1990年のこの日に閉店したこと」となっていました。それで日本のシャンソンの第一人者である金子由香利さん登場です。
歌の上手い人は、声量があるとか耳がいいとかリズム感があるとかありますけど、金子由香利の特徴は歌心ですかね。言霊というべきか、よくシャンソンで電話帳読んでも涙するというのがありますが、電話帳読むだけでその名前の人生が振り返られるというような。
これは本場シャンソンの有名曲をあえて日本語で歌っている。日本語だけど野暮ったさはない。そこに物語世界が広がっていきます。「ラ・ボエーム」とかヴェルレーヌとかボードレール読んでいて気持ちになります。「スカーフ」なんて、ただのスカーフなのに、首に巻き付いて締め付けられる気持ちになります。
演出もいいですよね。わざわざパリの街で録音した街頭の音。適当に銀座あたりで誤魔化せばいいものを。「銀巴里」行ってみたかったですね。そこで、金子由香利さんが歌っている姿を想像するのです。