詩 鳥たちの図書館
鳶(とんび)「鳥たちの図書館」
図書館の鳶と呼ばれたものだ
選ぶのは木菟(みみずく)の狙った本か
梟(ふくろう)の本は難しすぎる
ぐるぐる歩き回る獲物を求めて
騙されるなと鷹が叫ぶ
黙っとれと鷲が注意する
大鴉はゆうゆうと飛行し
信天翁(あほうどり)は海を超えてゆく
その間に本を開いて
うつ伏して彼等の夢を見る
理想の女(ひと)は女神(ミューズ)となつて
空に響くのは海風の囁きばかり
誰かが私の背中を叩く
啄木鳥(きつつき)ではあるまいか
時鳥(ほととぎす)ならばお断り
大鴉なら話を聞こう
信天翁はどこにいる
秘密にしているのだが
図書館に来る白鳥のレダを待っている
約束の本を返すつもりだったのだが
彼女は遠い世界に飛び立った