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ジャングルの伯爵たるやエリントン

今日は(4月29日)はデューク・エリントンの誕生日。ということで、エリントンのアルバム。ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』で綺麗な女の子の恋愛とデューク・エリントンの音楽さえあれば人生に他は何もいらないと言わしめたエリントンの音楽は何が凄いのか?先に紹介したセロニアス・モンクも『セロニアス・モンク・プレイズ・デューク・エリントン』とエリントン・ナンバー(とにかくジャズのスタンダードが多い)だけのアルバムを出しているし、チャールズ・ミンガスも「オープン・レター・トゥ・デューク」とエリントンに捧げた曲を書いている。エリントンを尊敬するジャズ・ミュージシャンは多い。

デューク・エリントンはジャズがまだビ・バップ(モダン・ジャズ)入る前のスイング・ジャズ時代のビッグバンドのリーダーで、自身もピアノを弾き作曲もする。そのスイング感とメロディーの優雅さはビッグバンドの中でも特筆すべきものがある。映画『コットンクラブ』はまさにこの時代のエリントンをモデルにしたもので、その中で取り上げられるエリントンの曲「ザ・ムーチ」は特に有名となった。


このアルバムの録音は1927年ー1931年だけど、非常に録音状態がいいので聴いてもらい。大江健三郎が武満から影響を受けてエリントンの初期のレコードを聴くようにと古い録音のエリントンを聴いていたと書いている。そして日本の昭和初期のジャズブームが起きたのはビッグバンドのスイング・ジャズからだった。「ザ・ムーチ」などのジャングル・サウンドなどの曲は今聞いても驚くべきリズム主体の現代的な曲であり、さらに「白と黒の幻想」のメロディーの優雅さは、これもまたエリントンの特徴である。

(ジャズ再入門No.9)



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