ニンゲン
野上弥生子(1993)「海神丸」岩波文庫
を読みました。
海に浮かぶ船という密室状態で、極限まで飢餓にさらされると、ひとはただの獣になってしまう。
人間が根底にもっている獣の性と、信仰心が対比されていて、読みながら、おはなしみたい、と思い、いやこれはおはなしなのだったとはっとするほど生々しい。と思っていて読み進めて行って、実話がもとになっていると知り、驚きました。どうりでこの生々しさ。いや、こんなことが現実に、というもやのかかった感じ。
不思議な読書体験でした。
この手の話は今まであまり得意ではなかったのですが、また読み直したい1冊です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?