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おもしろいのは、出かける「前」だった! 『おでかけのまえに』

家族でおでかけ。アルバムにも日記にも、お出かけ先での楽しい出来事がたくさん残されますよね。
でも、この本が着目したのはイベントの”前”。
記録には残されないけれど、どこの家庭でも見られそうなあれやこれやが林明子さんのやさしいタッチの絵で描かれています。

お出かけが楽しみで、お父さんもお母さんも忙しそう。主人公の女の子、あやこちゃんもその様子を見てわくわく、そわそわ。お手伝いしようとしては失敗したり、せっかくのお気に入りの服を汚してしまったり…。

いかにも子どもがやりそうな、準備をしている親としては「まったくもうー!!」と言いたくなるようなことばかりを次々にしでかしてくれて、笑ってしまいます。苦笑する私を見て、娘も一緒に「ありゃりゃりゃー」と笑っています。
中でも、お母さんに「おてつだいは もうけっこうよ」と言われるところがおかしいらしく、ことあるごとに「もうけっこう、っていわれちゃうねー」とふざけています。わかっているのかいないのか…。

初版は1980年、登場するカメラも、お人形も懐かしさ満載。そうか、あやこちゃんはまさに私と同世代。やはり子ども時代がフラッシュバックするようなお弁当の中身(おいなりさんやらお煮しめやら)にしみじみしながら、親目線であやこちゃんと娘を重ねる。(ざっくり)30代の方にはそんな楽しみ方もできる絵本かもしれません。

2013.6.5

作・筒井頼子 絵・林明子 『おでかけのまえに』(福音館書店)

※10年後の私からのコメント
この本のシーンに懐かしさを感じる世代は、いまや40代後半かも。でもでも、お出かけ前のあれやこれやは、時代が変わっても共感できるのでは。

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